Archive for 5月, 2010

後悔

4歳になる娘が、字を教えてほしいといってきたので、どうせすぐ飽きるだろうと思いつつも、毎 晩教えていた。
ある日、娘の通っている保育園の先生から電話があった。
「○○ちゃんから、神様に手紙を届けてほしいって言われたんです」 こっそりと中を読んでみたら、
「いいこにするので、ぱぱをかえしてください。おねがいします」
と書いてあったそうだ。
旦那は去年、交通事故で他界した。
字を覚えたかったのは、神様に手紙を書くためだったんだ・・・
受話器を持ったまま、私も先生も泣いてしまった。
「もう少ししたら、パパ戻って来るんだよ~」
最近、娘が明るい声を出す意味がこれでやっとつながった。
娘の心と、写真にしか残っていない旦那を思って涙が止まらない。

5月 22, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

「あれ?おじちゃん、髪の毛あるよ?どうしたの?」

職場の同僚(♂)の結婚式で。
音楽が鳴り、新郎新婦が入場してきた途端親族席にいた子供(多分姪っ子)が
「あれ?おじちゃん、髪の毛あるよ?どうしたの?」
実はこの新郎、26歳にして若ハゲでア○ランスのお世話になっていて、去年からこのヅラをつけている。
(それまでは若ハゲだった)
姪っ子は遠方に住んでいたのか久々に顔をみたようで、ハゲていたころの顔しか知らないらしい。
この無邪気な一言が新郎新婦が入ってきた瞬間起こったせいで、同僚たちは肩を震わせ笑いを堪え、新郎の親族席は微妙な雰囲気。
新婦側の友達や親戚はそのことを知らないのかちょっとざわついている様子。
しばらくして二人の馴れ初めが紹介され、過去の二人の写真がスクリーンに映し出された時、またもこの姪っ子が口を開いた。
「ほら。まま。あれ、あの写真の時のおじさん帽子かぶってるけど、髪の毛なかったよね」
流石に新婦側の親戚や友達も理解したのか、クスクス忍び笑いが聞こえてくる。
新郎は明らかに機嫌を損ねて、新婦も俯いていた。
ヤバイと思ったのか姪っ子は親に連れられて退場。
気がついたら席に戻ってたので多分説教されて帰ってきたんだと思う。
で、キャンドルサービスの時、新郎が近くにきた時この子がじーっと新郎の頭の方を見てまたも一言
「おじさん。髪の毛誰からもらったの?」

5月 22, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

貝・・・カワイソス(´・ω・`)

大西洋のアイスランド沖海底から引き揚げられた二枚貝が400年あまりも生きていたことが明らかになった。これまで知られている動物の中で最も長生きとみられる。英バンゴー大学が28日、ウェブサイトで明らかにした。
この貝は大きさが約8.6センチ。昨年、同大学の研究チームが採集した中にあった。貝殻は、温かくエサのプランクトンが豊富な夏場に成長するため木の年輪のように1年ごとに層ができる。それを顕微鏡で数えたところ、年齢は405年から410年の間で、これまで最長とされていた二枚貝よりさらに約30年長いという。
研究チームは「この貝が若いころ、英国ではシェークスピアが『マクベス』や『ハムレット』を書いていたのだ」と、長寿ぶりをたたえた。採集時は生きていたが、年齢を調べる時に肉をはがしたため、偉大な生涯を終えたという。
研究者の一人は「何もしない静かで安全な暮らしだったから長生きできたのだろう」とコメントしている。

5月 22, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

無口、無表情の課長

私の前の上司(課長)は無口、無表情。雑談には加わらず、お酒も飲まず、人付き合いをしない堅物でした。
誠実公平、どんな時でも冷静なので頼もしい上司なのですが、堅過ぎて近寄りにくい雰囲気がありました。
そんな課長の机の上には奥さん、子供四人と写った写真が飾られてて、
「あの朴念仁でも家族は愛してるんだな」と微笑ましく思ったものです。
何年経っても同じ写真が飾ってあったので、理由を聞いてみたら、
「一番かわいかった頃の写真だからね」と照れ笑いを浮かべながら答えてくださいました。
それが私の見た唯一の課長の笑顔でした。
そんな真面目一徹、入社以来無遅刻無欠勤の課長が三日続けて無断欠勤。
家に電話しても誰も出ず、親族の連絡先も分からなかったので、
部長が直接課長のマンションを訪ね、管理人さんにお願いしてドアを開けていただきました。
課長は玄関で倒れていて、既に冷たくなっていました。急性心不全だったそうです。
部長が管理人さんに課長の家族がいつ戻ってくるか聞くと、「○○さんには家族はいないですよ」という返事。
あわてて人事部の資料をほじくり返すと、確かに課長には家族がいません。
課長は10年前に中途入社した人なので、それ以前に家族に逃げられていて、写真を見て幸せだった時代を懐かしんでいたんだと思い、少し悲しくなりました。
結局、課長の葬儀にも家族も親族も顔を出さず、血縁の人たちの冷たさにもっと悲しくなりました。
後日墓参りに行くと、立派なお墓が立っていました。死んでやっと家族と和解できて、立派なお墓を立ててもらえたのかと安心して墓石を見てみると、愕然としました。
お墓は古びていて、課長と同じ名字の名前が墓誌にいくつも彫ってありました。
課長以外は全員十数年前の同じ日に亡くなっていました。
家族を一度に亡くしてからの十数年の歳月を、彼はどんな気持ちで過ごしていたんでしょうか?
二度と会えない家族の写真をどんな思いで毎日眺めていたんでしょうか?
人を遠ざけ、自分のことを決して語らなかった課長の姿を思い出し、涙が止まりませんでした。

5月 22, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

ばあちゃんのぼけ

ばあちゃんのぼけは日に日に進行してゆき、次第に家族の顔もわからなくなった。
お袋のことは変わらず母ちゃんと呼んだが、それすらも自分の母親と思い込んでいるらしかった。
漏れと親父は、ばあちゃんと顔を合わせるたびに違う名前で呼ばれた。
あるとき漏れがお茶を運んでいくと、ばあちゃんは漏れに
駐在さんご苦労様です、とお礼を言って話しはじめた。
「オラがちにも孫がいるんですけんど、病気したって見舞一つ来ねえですよ…
昔はばあちゃん、ばあちゃん、てよくなついてたのにねえ…」
そう言ってばあちゃんが枕の下から取り出した巾着袋には
お年玉袋の余りとハガキが一枚入っていて、よく見てみるとそれは
漏れが幼稚園の年少のとき敬老の日にばあちゃんに出したもので、
「ばあちゃんいつまでもげんきでね」なんてヘタクソな字で書いてあったものだから、
漏れはなんだか悔しくて悔しくて、部屋を出た後メチャクチャに泣いた。

5月 22, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話