Archive for the ‘悲しい話’ Category

ぼけた親父

うちの親父はかなりボケが進み 脳味噌プリン状態
息子である俺の顔もわからんようだが台所に立たせると
スイッチが入ったかのように豹変し、マシーンのように一切無駄な動きをせずに
酢飯の仕込みから魚の捌きまでを黙々とこなし
現役時代となんら変わることのない熟練の手つきで寿司を握る
その時、親父には家族は客にしか見えてないようで普段のフガフガした口調とはガラリと変わり
威勢のいい声で「へいらっしゃい なに握りやしょうか?」
おかげで我が家は月に一度、達人の本格江戸前寿司を味わえるのであった
初めはボケの進行を抑えるためのリハビリの一環のつもりだったが
さすがは13歳から寿司を握り続ける父
ボケてもなお衰えぬその手さばきには感嘆を漏らすしかなかった
「ホントにあんたは寿司バカなんだねぇ」
とは、いつも涙をぬぐいながら寿司を食べる俺の母の談である

2月 15, 2011 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

教室で涼宮ハルヒの憂鬱(初版、流行る前からもってた)を読んでたら

教室で涼宮ハルヒの憂鬱(初版、流行る前からもってた)を読んでたら
「なぁ、それハルヒじゃね?」と後ろの席のやつにいわれた。
ちょっと怖い煙草とかすってるやつだったから
「うん、ハルヒ。それの一巻」って説明したら
「○○って長門に似てるよな」とクラスの女子のことを指さした。
大人しくていつも読書している小柄で可愛いこだった。
たしかにそっくりだったし、長門にも彼女にも好意を抱いていたので最高の笑顔で「うん」と賛同したところ
おもむろに携帯で○○さんのハメ撮りを見せてくれました。
誰かハルヒのいる世界に連れて行ってください

5月 27, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

中学2年の頃から学年全体にイジメられていた。

最初はクラスの少数だったけど「アイツと一緒にいると自分まで・・・」ってことで学年全体に広まっていった。
そんな中、鎌倉に遠足に行くことになった。
ひと班男子3人女子3人でそれぞれコースを選んで行動して最後に先生のいる場所に集合して解散というものだった。
まさか親に「イジメられてて」なんて格好悪くて恥ずかしくて言えなかったから
ずっと言わないでいたんだけど遠足当日、母が「お友達の分もお弁当と一緒にお手拭き入れておいたよ」なんて言うもんだからトイレでひたすら泣いた。
地元の駅で先生の点呼受けて鎌倉へ。
でも班でもリーダー格の女の子が男子3人とモメだして、もう1人の子も一緒になってモメて「じゃあ別々に行動しよう!あとで何か言われても男子のせいだからね!」と別行動に。
するとコース途中の寺で男子3人と遭遇。
1人がどうも石段で転んでケガしたけどバンソウコウとか持ってなくて3人でオロオロしてた。
そこで私が「これ・・・私ので嫌かも知れないけど」ってバンソウコウと小さいキズ薬渡したら男子が「おっ!サンキュー」って受け取ってくれて
「○○って優しいのになんでみんなにイジメられてんの?」
「俺も疑問に思ってた、別に○○は汚くないよな!」
「今度誰かに何か言われたら俺たちに言えよ?△△(女子メンバー)も
なんで○○シカトしてんの?遠足なのにかわいそうじゃん?」
って言ってくれた。
お昼は指定された場所でみんなでお弁当食べたんだけど、母が渡してくれたお手拭き出したら男子が「お?俺にちょーだい!」「待て!俺ももらうw」って争奪戦になった。
女の子も「私ももらっていい?」「○○さんって優しいよね!さっきまでシカトしちゃっててごめんね」って・・・母の顔も浮かんできて泣いてしまった。
イジメは辛かったけどこの思い出だけは強く残ってる。

5月 23, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

大学が決まり一人暮らしの前日の日

大学が決まり一人暮らしの前日の日親父が時計をくれた。
金ピカの趣味の悪そうな時計だった。
「金に困ったら質に入れろ、多少金にはなるだろうから」そういってた。
二年生のある日、ギャンブルにハマリ家賃が払えなくなった。途方にくれていた時。
ハッと気がつき、親父の時計を質にもって行った。
紛れもない偽者であることが判明した。
すぐに親父電話した。
俺「おい!偽者子供につかませんなよ!」
親父「なっあてになんねーだろ人のゆうことなんざ。困った時にこそ裏切られるんだよ。最後の頼みの綱になー。がはははは!これが俺の教育だよ。」
親父「でいくら必要なんだ?金に困ったんだろ?」
俺「・・・・あきれるわ。十二万貸してください・・・」
親父「明日振り込むから、何があったかは聞かない。金がない理由は親にいえない事が多いわな!」
親父「がはははは!女にでもはまったか?このバカ息子が!!ははは!!」
正直心底むかついたが、親父の声は俺を安心させてくれた。
今思うと、小さい会社だが経営者らしい教育だったのかなと思う。
そんな親父も去年の夏、ガンで死んだ。往年の面影も消え、ガリガリになった親父が
また時計をくれた。まだ箱に入った買ったばかりの時計だった。必死で笑顔を作りながらいった。
親父「金に・・困ったら質にでも・・・入れろや・・!」
オメガのシーマスターだった。くしくもその日は俺の誕生日だった。
俺「親父の時計はあてになんねーから質には入れないよ。」
二人で笑った三日後、親父は死んだ・・・・
親父が死んだ今も、金ピカの時計はメッキもはげたがまだ時を刻んでいる。

5月 23, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話

後悔

4歳になる娘が、字を教えてほしいといってきたので、どうせすぐ飽きるだろうと思いつつも、毎 晩教えていた。
ある日、娘の通っている保育園の先生から電話があった。
「○○ちゃんから、神様に手紙を届けてほしいって言われたんです」 こっそりと中を読んでみたら、
「いいこにするので、ぱぱをかえしてください。おねがいします」
と書いてあったそうだ。
旦那は去年、交通事故で他界した。
字を覚えたかったのは、神様に手紙を書くためだったんだ・・・
受話器を持ったまま、私も先生も泣いてしまった。
「もう少ししたら、パパ戻って来るんだよ~」
最近、娘が明るい声を出す意味がこれでやっとつながった。
娘の心と、写真にしか残っていない旦那を思って涙が止まらない。

5月 22, 2010 · 悲しい名無しさん · No Comments
Posted in: 悲しい話