Archive for 6月, 2011

叩かれるドア

仕事で地方行く用事が出来て、時間の関係で前の晩に新幹線乗って一泊することになったのね。で、同僚と話してるときに予約したホテルの名前いったら
「お前知ってる?そのホテルってさあ」
とか話し出して、そいつはその手の話大好きで俺すっげえ臆病だから絶対聞きたくなくて、
「バカやめろよ言うなよ。言ったらぶっ飛ばす」
って慌てて遮って、そのときは聞かずに済んだんだけど、でもそいつのお陰でホテル着いた後も妙に気味悪くって。どうせ一泊しかしないんだからさっさと寝ちまおうと思って布団入ったんだけど、俺くらい臆病な奴なら分かると思うけど、そういう時って一回恐いって思ったら終わりなんだよね。寝るのも起きるのも身動きするのも嫌で、もう朝になるの待つしかない。そんで布団の中でいろいろ考えて、何故かそのときは死ぬのが異様に恐かった。ずっと死ぬことばっかり考えて、いやだ、恐い、死にたくねえ、でもいつか死ぬ。誰か助けてって。もう本気で寝るの諦めて、どっかの飲み屋でも行って時間つぶそうと思い始めたとき、

ドンドンドンドン!!

って。部屋のドア叩いてるんだよ。心臓止まんなかったのが不思議なくらいビビッた。

ドンドンドンドン!!

幽霊?火事?知り合い?なんか事故でもあったのか。とりあえず電気点けて、でもドア開けるのは恐くて、
「なんですかー?」
って答えてみたら叩く音はピタッとやんで、そのまましばらく身構えてたけど何にも言ってこない。もう寝れる状態じゃない。財布と電話確認して、なんとなく身仕度して(寝巻だけど)ベッドの上に起き上がって、じっとなんか待ってた。しばらくしたら、

ドンドンドンドン!!

ってまた叩く音がして、
「なんかあったんですかー!?」
でも返事は無い。本当に緊急ならホテルの人間が何か言ってくる筈だ。鍵も開けられるだろうし部屋の電話も携帯電話もある。なら大した用事じゃないのか?でもさっきからの妙な気分は引き摺ってて、とにかく恐い。

ドンドンドンドン!!

フロントに電話しようと思った。けど電話を見たら、そういう他人とのコンタクトがすげえ不安になってきた。言っても通じなかったらどうしよう。つーか、なんか変なのが電話出たらどうしよう。そんで、

ガチャガチャガチャ!!

ノブ回してるよ。入って来る気だよ。どうしよう。どうしよう。ビビりまくって、でもベッドの上から動けなくて、とにかく早く朝になれと思った。

ドンドンドンドン!!
ガチャガチャガチャ!!

イタズラか?近くの部屋に頭おかしいのが泊まってんのか?早くこの時間が終わることだけ祈って、空が白くなって、だんだんドアを叩く音の間隔が長くなって、とうとうやんだ。仕事で朝早いのが救いだった。フロントに電話してチェックアウトしたいって言って、あとは、普通。仕事して家に帰った。そんで、前にホテルの話しかけた同僚つかまえて、
「あそこ何かあったのか?」
って聞いてみたら、数年前に火事があって、大した火じゃなかったんだけど一人死んで、それから出るとか出ないとか。まあ、そういう話だよ。
「ドア叩くんだろ?」
「何で知ってんの?もしかしてお前見た?」
「うん」
「へー。何号室よ」
つまんなかったかもしれないけど俺の中では最高の怪談です。あの夜を過ごした恐怖は一生消えねえ。ちゃんとオチもあるよ。そもそもそいつは何で死んだか。逃げ遅れたんだけどさ。単純に。パニックになってたか壊れてたか知らないけど部屋の鍵が開けられなくて。だから
「やっぱ幽霊だったんだな。開けなくて良かった」
って漏らした俺に同僚は言ったよ。

「なんで?そいつ部屋の中から外に出たくてドア叩いてたんだろ?」


残念ながら

ある病院に残り三ヵ月の命と診断されている女の子がいました。
友達が二人お見舞いに来た時に、その子のお母さんはまだ、その子の体がベッドの上で起こせるうちに最後に写真を撮ろうとおもい、病気の子を真ん中にして三人の写真を撮りました。
結局それから一週間ほどで急に容体が悪くなり、三ヵ月ともたずにその子は亡くなってしまいました。
葬式も終わり、多少落ち着きを取り戻したお母さんはある日、病院で撮った写真の事を思い出しました。
それを現像に出し取りにいって見てみると、その写真が見つかりません。写真屋さんに聞いてみると、

「いや、現像に失敗して…」

と言うそうです。不審に思ったお母さんは娘の生前の最後の写真だからとしつこく写真屋さんに迫ったそうです。写真屋さんもしぶしぶ写真をとりだし、

「見ない方がいいと思いますけれど、驚かないで下さいね。」

と写真を見せてくれました。そこには、三人の女の子が写っていましたが、真ん中の亡くなった女の子だけがミイラのような状態で写っていたそうです。
それを見たお母さんはとても驚きましたが、供養してもらうといい写真を持ち帰りました。
それにしても恐ろしい写真だったため霊能者は言いたがりません。やはり無理に頼み込んで話を聞ける事になりました。

その霊能者が言うには、

「残念ですが、あなたの娘さんは地獄に落ちました。」

今まで聞いた中で一番恐かった話です。


分からない方が

私の弟から聞いた本当の話です。弟の友達のAくんの実体験だそうです。Aくんが、子供の頃Aくんのお兄さんとお母さんの田舎へ遊びに行きました。外は、晴れていて田んぼが緑に生い茂っている頃でした。せっかく良い天気なのに、なぜか2人は外で遊ぶ気がしなくて、家の中で遊んでいました。ふと、お兄さんが立ち上がり窓のところへ行きました。Aくんも続いて、窓へ進みました。お兄さんの視線の方向を追い掛けてみると、人が見えました。真っ白な服を着た人、(男なのか女なのか、その窓からの距離ではよく分からなかったそうです)が1人立っています。(あんな所で何をしているのかな)と思い、続けて見るとその白い服の人は、くねくねと動き始めました。(踊りかな?)そう思ったのもつかの間、その白い人は不自然な方向に体を曲げるのです。とても、人間とは思えない間接の曲げ方をするそうです。くねくねくねくねと。Aくんは、気味が悪くなり、お兄さんに話し掛けました。
「ねぇ。あれ、何だろ?お兄ちゃん、見える?」
すると、お兄さんも
「分からない。」
と答えたそうです。ですが、答えた直後、お兄さんはあの白い人が何なのか、分かったようです。
「お兄ちゃん、分かったの?教えて?」
とAくんが、聞いたのですが、お兄さんは
「分かった。でも、分からない方がいい。」
と、答えてくれませんでした。あれは、一体何だったのでしょうか?今でも、Aくんは、分からないそうです。
「お兄さんに、もう一度聞けばいいじゃない?」
と、私は弟に言ってみました。これだけでは、私も何だか消化不良ですから。すると、弟がこう言ったのです。
「Aくんのお兄さん、今、知的障害になっちゃってるんだよ。」


占いによって変わった関係

ワタシには親友がいた
彼女は私の悩みを聞いてくれたし、助けてもくれた
ワタシにはライバルがいた
勉強でも、好きな人の事でも張り合った

でも、ワタシは臆病だった
好きな人に好きと言えない事が、悔しかった
しかし、同時に波風の立たない今に満足していたのも正直な気持ちだ
そんな状況がずっと続くわけがないのに、直ぐ先の未来に目をつぶっていた。

A雪は、そんな奥手のワタシに面白い事を教えてくれた
とある掲示板には、謎のURLが時折書き込まれるというものだ。
「C華にぴったりだと思うよ」
それは、よく当ると言われる占いのHPに繋がり、その的中率の高さから密かに広まっていると言う。
彼女はパソコンなどにとても詳しく、初心者にもとても判りやすく教えてくれた。
ワタシはパソコンを持っていないが、母親が仕事で使っているデスクトップと言う物が家にあるので
早速、言われた掲示板とやらを探すが、慣れない事もあってなかなか見つからない。
A雪は「そんな簡単に見つかったら、苦労しない。逆に言えば、見つからないからこそ、見つけた時に
”ご利益”があるんじゃないの?」等と言っていた。
確かにそうかもしれない。
学校から帰ってから、毎夜眠い目をこすりながら掲示板の過去ログなどを探していた。

七日ほどして漸くそのHPを見つけたとき、思わず小さくガッツポーズをした。
それは、何年ぶりのことだろうか?
自分が望んで、そして自分の力で手に入れた物が今、目の前にある。
良い子でいようとして、言われるがままに勉強に打ち込んでいたワタシが、初めて自分の意思で手に入れた
物だった。勿論、他人から観れば取るに足らない事なのだろうが、とても嬉しいことだった。
A雪には、だから感謝している。

占いは午前二時から十分間で行う事
其れが注意事項であり、決して他人に内容を言ってはいけないというものだ。
決まりを守らないと、占いは悪い方向に実現してしまうという。
ワタシは占いをする。
それは当たり障りないようなものだったが、自分で漸く手に入れた”金言”だ。
だから、きっとこの占いで自分が変われると思っていた。
いや、そう信じたかっただけかもしれないが、自分が変わる切欠にはなったと思う。
その占いに沿って行動する事で、何となく自分が”守られている”というような感覚があった事で、他の人が
怖くなくなってきた。
勿論、鵜呑みにしていた訳ではないが、迷った時にはあの占いが方向性を示してくれるから、そういった意味では
日々がとても安心できるものとなっていった。
しかし、ある夜。
いつも通り、占いのHPを開き、占いを始めると・・・
『赤いリストバンドが吉。しかし、其れを誰にも気が付かれなければ。
 もし、誰かに其れを指摘されると、吉が逃げる恐れあり。     』
これは何だろうか?
赤いリストバンドか・・・。
確か、一週間前にA雪と買い物に行った時に、幸運のお守りとして買ったっけ・・・。
まあ、腕にしていてもその上から別の物をしておけば、大丈夫だろう。
『見つかる訳ない』
元来臆病なので、そういった予防策はとっておこうと思った。
しかし・・・

M月に気が付かれた・・・・!
何で???
それで、イラついていたら、親友と些細な事で喧嘩した。
『占いが当っている?』
内心偶然と思いながらも、心の底で信じ始めている。
その後も、占いを外した事で、全て自分に不利な出来事が降って来る。
財布を落とした事もあったし、怪我をした事もあった。
ワタシは、この世の全てが怖くて怖くて堪らなかった。
やはり、あの占いは良く当る・・・・!
だから、あの占いが悪い方向で当る時は、大抵クラスメイトが関与している事に気がつくのに時間は掛からなかった。
『・・邪魔だ・・』
ワタシの人生を奪う権利なんて他人にあるの?
ワタシは怒りに震えた。”何か”がワタシを黒く暗く塗りつぶしていく。
占いを見る。
もう止める事なんてできない。

今日は絶対言われてはいけないキーワードがあった。
だから、それなりの格好でぼんやりするするまま、電車を待っている。
と、いきなり声を掛けられ、硬直する。
だ・・誰?・・や・・・・やめて・・・・・・
しかし・・・・。
「あら、綺麗ね。C華。」

又、ワタシの・・・・・
そう思ったとき占いを思い出した
”貴方の失くしもの、誰かが拾い続ける”
お前さえ居なければ、!きっとワタシの占いの成果はいいはずだ
お前が邪魔をした。いつも誰かが邪魔をした。
これからもきっと邪魔をするに違いない
そんな人生嫌だ!!
そう思った瞬間、私の中で何かがはじけた
叫んだのかもしれない
泣いていたのかもしれない
誰かをカバンで殴りつけたような感触が残っている
覚えているのは、それだけだった
誰かに取り押さえられた記憶がある
組み伏せられる
何で?私が!あいつを、捕まえてよ、あいつが私の人生を・・・・・・

【女子高生、飛び込み。現場は一時騒然】
喧嘩していた二人の女子生徒が、誤ってもう一人を突き飛ばし、線路に転落、急行にはねられて即死
『全く。M月もC華も使えない』
”彼”もこれでは学校に居辛くなってしまうだろうに・・・
彼を巡ってあの二人が牽制しあっているのは、学校では噂になっていたことだ
その二人が、喧嘩の末片方が死亡などと・・・・
C華の行動は予想外だった
あの子なら、ショックで引き篭もるぐらいだと思っていたが、まさか直接行動に出るとはね・・。
せっかくHPまで用意して、時間を掛けてM月とC華を克ち合わせたのに、両方リタイアでは予定が狂う。
それでは、面白くないでしょうが・・。
まあ良い。
彼が欲しかったのは事実だが、悪い噂のたった男を手に入れても仕方がないし。
私は新聞をテーブルの上に投げ出すと学校に向かった
まあ、これで暫く退屈しなくてすみそうだ。
その意味ではC華は実に良いネタを提供してくれた
もう会う事はないだろうけど、目の上のたんこぶが一気に二つなくなったのは、私の勝ちという事で
このゲームは終わり。

私の学校では騒ぎが大きくなっていた。
まあ、当然だろう。
優等生の二人が喧嘩した挙句、警察沙汰になるような事件を起こしたのだ。
私は極力、二人との友情を失った事を悲しむ演技をしていた。
他人が自分の手の上で踊る事ほど、痛快な物はない。
しかし、C華はともかく、M月に関しては少し納得がいかない事があった。
あの冷静なM月がああもあっさりと殺されるものだろうか?
あのURLはM月とC華にしか教えていない。
M月はああいったものを信じない性質だから、客観的にしか受け止めないだろうが、C華の行動が変化していれば
鋭いM月なら、「C華があの占いによって影響を受けている」と見抜けるはず・・・。
其れなのに、C華に”殺された”。
やはり、何かおかしい。
勿論、人間だから、予想外の行動に対処できなかった事は考えられるが、M月を最大の障害と考えていた
私にとっては、こうもあっさり終わると、却って納得できるような物ではなかった。
私は葬儀の翌日、M月の家に出向く事にした。
葬儀は学校関係者らが集まって、なかなか盛大に行われたが、ふと気がつくと私の周りには誰もいなかった。
まあ、あの二人の友人として気を使われているのだろう・・・。
違和感がありながらも私はそう考えて、直ぐに忘れた。

M月の日記があった。
そこには意外な事が書かれていた。
(あの占いは危険だと思う。きっとC華はあれを見ているはずなのだが、内容は判らない。でも、危険だと思う。
C華の雰囲気は周りが見えなくなっている”信者”みたいだ。そう、オウム信者のように盲信している雰囲気がある。
私も占いのHPを見たが、ある日を境にガラッと雰囲気が変わっている。それは・・・)
え・・?
私はその内容に驚愕する。
私はそんな事は一度も”M月の情報”に対応する占いは書いていないし、第一”そこまで詳しく”書けるわけもない。
M月は何処のHPを見ていたのだろうか?
家族に許可を貰って、M月のパソコンを操作してみるが、お気に入りに入っているアドレスは私のでっち上げたHP
とは異なる物だった。
そこに記されたものは、真っ赤な画面に黒い文字で、
『このHPを見た人は、三日以内に誰かに殺される』

酷い夢。
私が、誰かに殺される、という夢だ。
友達があまりいない私にとって、小説を作ることが唯一の楽しみ。
昨日は遅くまで小説を書いていたから、そのネタが夢に出たのだろう。
頭痛が酷い。

「あら、綺麗ね。」
私は何気なく、クラスの友人に声をかける。
唯の朝の挨拶にしては不適切かも知れないが、そういわれて怒る人もいない。
昨日は、ずっとパソコンの前にいたからね、仕方ない。
当たり障りのない会話で十分だった。
その時、友人は驚愕の表情と共に、泣きそうに口元を震わせる。
何・・こいつは・・・。
私は少々傷ついたように感じる。
私が声をかけるのがそんなに変なの?!

だが、次の瞬間、彼女は泣き叫ぶように言い放つ。
「どうして、私の邪魔をするのよ!私の人生を奪う権利なんて無いでしょう!!!」
はあ?何言っているんだろ?
私は気の狂ったようなこの子から離れようとする。
朝っぱらから変なのに声をかけてしまった。
少し、引くわね・・こういう子は・・。
しかし、私が背を向けて離れようとした瞬間、私は背中に衝撃を感じる。
え・・・・・?
天地が逆さになり、線路が急速に目の前に迫ってくる。
衝撃と共にホームが見える。
口元を歪めて見下ろすのは・・・

私は、耳に突き刺さる甲高い音と、人の悲鳴を最期に聞いた。


猿夢

9 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2000/08/02(水) 07:03

私は、夢をみていました。昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢を
みているんだと自覚する事がありました。この時もそうです。何故か私は薄暗い
無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭いを夢だなぁと思いました。

すると急に駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。 それは
「 まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~」
と意味不明なものでした。 まもなく駅に電車が入ってきました。それは電車というより、
よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので数人の顔色の悪い男女が一列に
座ってました。

私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与え
られるか試してみたくなりその電車に乗る事に決めました。本当に恐くて堪られなければ、
目を覚ませばいいと思ったからです。私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、
自由に夢から覚める事が出来ました。

つづく

12 名前: まだつづくぞ! 投稿日: 2000/08/02(水) 07:09

私は電車の後ろから3番目の席に座りました。辺りには生温かい空気が流れていて、
本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。
「 出発します~」とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。

これから何が起こるのだろうと私は不安と期待でどきどきしていました。電車は ホームを出るとすぐにトンネルに入りました。紫色ぽっい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。

私は思いました。(このトンネルの景色は子供の頃に遊園地で乗った、スリラーカーの景色だ。
この電車だってお猿さん電車だし結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけでちっとも恐くなんかないな。)

とその時、またアナウンスが流れました。「 次は活けづくり~活けづくりです。」
活けづくり?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。

振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに四人のぼろきれのような物をまとった小人がむらがっていました。よく見ると、男は刃物で体を裂かれ、本当に魚の活けづくりの様になっていました。強烈な臭気が辺りをつつみ、耳が痛くなるほどの大声で男は悲鳴をあげつづけました。
男の体からは次々と内臓がとり出され血まみれの臓器が散らばっています。

私のすぐ後ろには髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、彼女はすぐ後で大騒ぎしているのに黙って前をを向いたまま気にもとめていない様子でした。私はさすがに、想像を超える展開に驚き、本当にこれは夢なのかと思いはじめ恐くなりもう少し様子をみてから目を覚まそうと思いました。

気が付くと、一番後ろの席の男はいなくなっていました。しかし赤黒い、血と肉の固まりのようなものは残っていました。うしろの女性は相変わらず、無表情に一点をみつめていました。

「 次はえぐり出し~えぐり出しです。」とアナウンスが流れました。
すると今度は二人の小人が現れ、ぎざぎざスプーンの様な物でうしろの女性の目をえぐり出し始めました。

さっきまで、無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、私のすぐ後ろで鼓膜が破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。眼かから眼球が飛び出しています。血と汗の匂いがたまりません。私は恐くなり震えながら、前を向き体をかがめていました。ここらが潮時だと思いました。

これ以上付き合いきれません。しかも、順番からいくと次は3番目に座っている私の番です。私は夢から覚めようとしましたが、自分には一体どんなアナウンスが流れるのだろうと思い、それを確認してからその場から逃げる事にしました。

13 名前: これで最後だ 投稿日: 2000/08/02(水) 07:11

「次は挽肉~挽肉です~」とアナウンスが流れました。最悪です。どうなるか、容易に想像が出来たので神経を集中させ、夢から覚めようとしました。(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)いつもはこう強く念じる事で成功します。急に「ウイーン」という機会の音が聞こえてきました。今度は小人が私の膝に乗り変な機械みたいな物を近づけてきました。たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)と目を固くつぶり一生懸命に念じました。

「 ウイーン 」という音がだんだんと大きくなってきて、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間に静かになりました。

なんとか、悪夢から抜け出す事ができました。全身汗でびしょびしょになっていて、目からは涙が流れていました。

私は、寝床から台所に向、水を大量に飲んだところで、やっと落ち着いてきました。恐ろしくリアルだったけど所詮は夢だったのだからと自分に言い聞かせました。

次の日、学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。でも皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。
それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れバイトなんぞに勤しんでいました。

そしてある晩、急に始まったのです。

「 次はえぐり出し~えぐり出しです。」あの場面からでした。私はあっ、あの夢だとすぐに思いだしました。
すると前回と全く同じで二人の小人があの女性の眼球をえぐり出しています。
やばいと思い (夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)とすぐに念じ始めました。。。。。。
今回はなかなか目が覚めません。(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)。。。。。。。。
「次は挽肉~挽肉です~」
いよいよやばくなってきました。「 ウイーン 」と近づいてきます。(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めてくれ)
ふっと静かになりました。どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時

「 また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~」とあのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。

目を開けるとやはり、もう夢からは完全に覚めており自分の部屋にいました。最後に聞いたアナウンスは絶対に夢ではありません。現実の世界で確かに聞きました。私がいったい何をしたと言うのでしょうか?

それから、現在までまだあの夢は見ていませんが次に見た時にはきっと心臓麻痺か何かで死ぬと覚悟しています。
こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界は挽肉です。。。。。。


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