Archive for 5月, 2011

バンソウコウ

ちのダンナは仕事柄かなり朝早くおきて出勤する。
だいたい5時には一緒に起きて、私は朝ごはんの、ダンナは出勤の支度をする。
眠い目を擦って台所に立ち、ダンナが洗面所で顔を洗っている音が聞こえた。
突然インターホンが鳴って、覗き窓から見てみると見た事も無い小学生低学年の男の子がランドセルを背負って黄色い学帽かぶって立っていた。
「誰?どうしたの?」って聞くとその男の子「ママがケガしちゃったからばんそうこう頂戴」って言ってきた。
どこの子だろう?って思いながら、台所に戻り救急箱からばんそうこうの箱を取って玄関に。
ドアを開ける前に、「ねぇ、どこの子?」と聞きながらサンダルをつっかけているとその子「僕のママ、血がいっぱい出ているの」と言う。
じゃあばんそうこうじゃ間に合わないんじゃない?と思いながら「どうやってケガしちゃったの?」と聞くと「ママ、血がいっぱい出て動かなくなっちゃったの。早く開けてよ」って。
なんか恐くてヤバい!と思って「うちは駄目!どっか他所に行って!」と言うとドアを凄い勢いで蹴った音がして静かになった。
ドキドキしながら覗き窓を覗くと、その男の子が外側の覗き窓の高さまでよじ登って反対にこっちを覗いてニヤニヤしてる。
ぞっとして後ろに下がって・・・

とそこで目が覚めた。心臓がまだドキドキしている。
ダンナが「あれ?また寝ていたの?」と言いながら洗面所から部屋に戻ってきた。
ホッとして起きてご飯を作らなくちゃと思って布団を出ようとした時、右手にばんそうこうの箱を持っていた。
あれ?と思っていると、ダンナが「さっきお前玄関にいてなんか騒いでいたから、どうしたのか聞こうと思ってたんだよ。なんかドアとか蹴られてたろ?」って


かなり前の話になるのですが、私のお友達だったK子の話です。

ある夜、私は友人のK子のアパートへおしゃべりに行きました。
私はベッドに腰掛けるK子の正面で、イスに座っておしゃべりしていたのですが、
ふと気が付くと、K子の座るベッドの下の暗い部分に誰かの鼻が見えたのです。

しばらくはそれをチラチラ見ながら、K子の話に相づちを打っていたのですが、
ついに我慢できなくなった私は、K子に食事へ出ようと提案しました。
K子は変な顔をしていましたが理由はどうでも良かったのです。
ただ、私はK子をその部屋から出して、人の大勢いる所へ行きたいだけでした。

居酒屋の座敷で、私はK子に外へ連れ出した理由を説明しました。
まずベッドの下に鼻が見え、その顔が少しずつ手前に出てきたこと。
顔の見え方が、普通に人がそこに居ると思うには少し不自然に感じたこと。
その目をつむって眠っているような顔が、K子の顔だったこと。話を聞いたK子はとても怖がり、アパートに戻れないと震えていました。

私が自分の家に泊まるよう提案すると、K子は少し安心して日本酒を沢山飲みました。
お酒が弱いくせに、きっと怖さを忘れたかったのでしょう。K子の恐怖感がだいぶ薄れたのを見計らい、私達は居酒屋を引き上げることにしました。

酔って顔の赤いK子が、怖いので扉の前で待っていてくれるよう頼むので、
私はトイレの扉の前でK子が出てくるのを待ちました。しばらくして中から2回目の水を流す音が聞こえた後、いきなり扉にぶつかるドスンという音と、
「フーー。」という大きなため息のようなものが聞こえました。

私は心配になって、「KちゃんKちゃん」と鍵のかかった扉を叩きましたが返事はありません。

急いで店員さんに伝えに行くと、裏庭からトイレの窓が開けられるのでそこから見てみましょうという事になり、
私も後について行きました。私が「Kちゃん大丈夫?」と声を掛けながら、背伸びをして小さな窓を開けると、
K子はお尻を床に付けて扉にもたれ掛かり、顔をこちらに向けて座り込んでいました。

そのK子のまばたきしない目と土色になった顔を見て、私はすぐに店員さんに救急車を呼んでもらいました。
扉が壊され助け出されたK子はすでに脈がなく、すぐに救急車で運ばれましたが、残念なことに助かりませんでした。

死因は心不全と診断され、お酒の飲み過ぎによる急性な心臓麻痺とのことでした。

でも私はお酒が直接の原因ではないのではないかと、今でも思っています。
K子には話さなかったのですが、居酒屋の玄関でK子を振り返ったとき、
暗がりの向こうに、あの眠ったようなK子の顔を私は見ていました。
あの顔は私達を追ってきたのではないでしょうか。
そしてK子はトイレで水を流すとき、窓の外に近づいてくる自分の顔を見てしまったのではないでしょうか。
それに驚いて心臓を止めてしまったのではないのでしょうか。私には今でもそう思えるのです。


黒い女

今から3年前に当日の彼と友人で都内にぁる多〇墓地にぃきました。

そして友人が[もぅ二時回ってるし帰ろう]と言ぃ歩き始めたらぁまりの広さで迷子に辿り着いたのは墓地内にある小さい山でした。

でも皆やけになり山に登ったんです。

頂上に到着した時には皆疲れていてベンチに座り喋っていたんです、その時友達 Aが私に話しかけてきたんです。

疲れていたせいか無視していたんです、しかし考えてみれば無視しているのに話続けているんです。

他の人も気になり友達Aを見たら‥

横を向き話していたので覗きこんだその瞬間皆凍りつきました。

友達Aが話してる相手は私ではなく黒い女の人なんです‥

私は声が震えながら友達Aに言いました

『A君‥私はここだよ…あなたの横にいるのは私じゃない』

その言葉と同時に友達は横を見ました

「ギャー」と言い友達は意識を失いました。

その女はスゥーっと消えていきました。
あの女性は何を伝えたかったのでしょうか…


お前らだよっ!

夏のある日2組のカップルが海水浴に出かけました
仮にA君、A君の彼女、B君、B君の彼女とします。
A君はバイクを持っていて一人で乗ってB君は車を
持っていて残りの3人が乗っていました。

日が暮れて、帰る時にふとB君が「競争しようぜ。」
といいます。そこでA君のバイクと、B君B君の彼女A君の彼女の
乗る車とでお互いの家まで競争することになりす。それぞれの
カップルは同棲しており、同じアパートで知り合った4人なのです。

先についたのはB君たちの乗る車でした。勝ったのに喜ぶ
B君のカップルに、A君の彼女は少し心配気味です。
A君はバイクの運転はとても上手いので、本当なら
先についていて当たり前なのです。

その日A君は帰りません。
そして次の日、目覚めたA君の彼女は
信じられないことを聞きます。

B君とB君の彼女がとても悲しげで不安げな様子で部屋にきています。
「あのさあ・・・」B君が口を開きます。
「今朝警察から連絡があって、Aのやつカーブ事故で死んじまったらしいんだよ・・・」
「ガードレールに、凄いスピードで激突して・・・・即死だったらしい・・・」
A君の彼女はずっと考えていましたから、万一のこともあるだろうと
分かってはいましたが、やはりショックで泣き伏せてしまいます。

しかしB君達がさらに驚くべくことをつげるのです。
さきに切り出したのはB君の彼女です。2人の体が
とても震えているのをA君の彼女は感じます。
「朝・・・連絡があったって言ったじゃない?・・・」
「あのね、驚かないでね、あたし達そのあと部屋に誰か来たの。」
「誰だろうと思って・・・それで誰だ?って聞いたら・・・・・」
『Aだって言うんだよ・・』
B君が割って話してきます。
A君の彼女は何を言っているのか分からず只聞いています。
『悪い冗談だって思って、すぐに怒鳴りつけてやろうと思ったけど
あいつがきたの、俺らが電話を受けてからすぐなんだよ・・・だから
誰かがふざける余裕なんてねえだろうし・・俺ら怖くて、それで
開けらんなかったんだ、そしたらかえってったんだ・・・』

B君たちはA君の彼女にもしもAがきても決してドアは開けるなと
いいます。彼らが言うには、自分では死んだと思っていないAが
自分たちを引きずり込もうとしていると言うのです。B君たちが帰った後に
A君の彼女はA君との思い出を巡らせ一人泣いています。

その夜。

A君の彼女はドアをノックする音で目覚めます。
「来た・・・」
彼女は必死でそれを無視します。A君はドアを叩きつづけます。
「おい!」「俺だよ!」
「ここを開けてくれよ!」
部屋の隅でA君の彼女は必死に耳をふさいでいますが、彼との思い出と
懐かしさにたまらず、ドアの方に近寄ります。
「開けてくれよ、俺だよ!」音はドンドン大きくなります。
そっと近づくA君の彼女。ドアごしに見えるA君の影ですら
涙が出ます。気付けばA君の彼女はドアの前に立っています。
ドアを開けそうでした。しかし、A君は死んでいるのです。
A君の彼女は必死で声を出しました
「・・なたは・・・・・んだの・・・!!」
ノックは大きくなります。
そしてA君の彼女は
せめて成仏してほしいと思い
決死の覚悟で一気にドアを開けます

「あなたはもう死んだの!!!!」

『死んだのはおまえらのほうだよ!!!!』

A君の彼女は気絶していました。
そして、次に気付いた瞬間
彼女は治療室のベッドの上にいました。目の前にはなんと
死んだはずのA君がいて、泣いて喜んでいます。状況が全く掴めない
彼女にA君は話しかけます。
「競争して、俺が家に着いても、お前達はぜんぜん来なかったんだよ。」

「それで来た道を戻ってったらお前達の車がめちゃめちゃでさ・・・
「前の座席に座ってたB達は即死だった・・・」
「でもお前だけは軽傷ですんでたんだよ。でもずっと気を失ってて・・・」

A君の彼女は最初はその事実だけを飲みこんでいましたが、
すぐあとにとても恐ろしくなり、ずっとA君に抱き着いています。

即死だったB君たちは、生死をさまよっているA君の彼女を
引きずり込もうとして、精神の中に入りこんできていたのです。
あのままA君のよびかけをずっと無視していれば、A君の彼女も
死んでいたのでしょう。


風呂のフタ

これはOLとして働きながら、ひとり暮らしをしていた数年前の夏の夜の話です。

私が当時住んでいた1DKは、トイレと浴槽が一緒になったユニットバスでした。
ある夜、沸いた頃を見計らって、お風呂に入ろうと浴槽のフタを開くと、人の頭のような影が見えました。
頭部の上半分が浴槽の真ん中にポッコリと浮き、鼻の付け根から下は沈んでいました。
それは女の人でした。
見開いた両目は正面の浴槽の壁を見つめ、長い髪が海藻のように揺れて広がり、浮力でふわりと持ちあげられた白く細い両腕が、黒髪の間に見え隠れしてました。
どんな姿勢をとっても、狭い浴槽にこんなふうに入れるはずがありません。
人間でないことは、あきらかでした。
突然の出来事に、私はフタを手にしたまま、裸で立ちつくしてしまいました。
女の人は、呆然とする私に気づいたようでした。
目だけを動かして私を見すえると、ニタっと笑った口元は、お湯の中、黒く長い髪の合間で、真っ赤に開きました。
(あっ、だめだっ!)
次の瞬間、私は浴槽にフタをしました。フタの下からゴボゴボという音に混ざって笑い声が聞こえてきました。
と同時に、閉じたフタを下から引っ掻くような音が・・・。
私は洗面器やブラシやシャンプーやら、そのあたりにあるものを、わざと大きな音を立てながら手当たり次第にフタの上へ乗せ、慌てて浴室を飛び出ました。
浴室の扉の向こうでは、フタの下から聞こえる引っ掻く音が掌で叩く音に変わっていました。

私は脱いだばかりのTシャツとGパンを身につけ、部屋を飛び出るとタクシーを拾い、一番近くに住む女友達のところへ逃げ込んだのです。

数時間後……深夜十二時を回っていたと思います。
カギもかけず、また何も持たず飛び出たこともあり、友人に付き添ってもらい部屋へ戻りました。
友人は、今回のような話を笑い飛ばすタイプで、好奇心旺盛な彼女が、浴室の扉を開けてくれる事になりました。
浴室は、とても静かでした。フタの上に載せたいろんなものは全部、床に落ちていました。お湯の中からの笑い声も、フタを叩く音もしていません。
友人が浴槽のフタを開きました。しかし、湯気が立つだけで、女の人どころか髪の毛の一本もありません。
お湯もキレイなものでした。それでも気味が悪いので、友人に頼んで、お湯を落としてもらいました。

その時、まったく別のところで嫌なものを見つけたのです。

私の身体は固まりました。
洋式便器の、閉じたフタと便座の間から、長い髪がゾロリとはみ出ているのです。
友人も、それに気付きました。

彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。
まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる友人を見、次にわたしを見ました。わたしと視線が合った途端、女の人はまた口をぱっくりと開き、今度はハッキリと聞こえる甲高い声で笑い始めました。

はははははは…ははははははは…。

笑い声にあわせて、女の人の顔がゼンマイ仕掛けのように小刻みに震え、はみ出た黒髪がぞぞぞぞっ…っと便器の中に引き込まれました。
顔を引きつらせた友人は、叩きつけるように便器のフタを閉じました。
そしてそのまま片手でフタを押さえ、もう片方の手で水洗のレバーをひねりました。
耳障りな笑い声が、水の流れる音と、無理矢理飲み込もうとする吸引音にかき消されました。
その後は無我夢中だったせいか、よく覚えていません。気が付くと、簡単な着替えと貴重品だけを持って、私と友人は友人の部屋の前にいました。部屋に入った友人は、まず最初にトイレと浴槽のフタを開き、「絶対に閉じないでね」と言いました。

翌日の早朝、嫌がる友人に頼み込んでもう一度付き添ってもらい、自分の部屋へ戻りました。
しかしそこにはもう何もありませんでした。それでも私はアパートを引き払い、実家に帰ることにしました。
通勤時間は長くなるなどと言っていられません。今でもお風呂に入るときは母か妹が入っているタイミングを見計らって入るようにしています。トイレのフタは、家族に了解をもらって、ずっと外したままにしてあります。


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