Archive for 12月, 2010

幻聴

叔父の話。
母の弟である叔父はケイビングが趣味で、社会人になってからも
大学時代のケイビング部の仲間とよく山に行っていたらしい。
未踏靴の鍾乳洞を発見したことも何回かあったそうだ。
その日も叔父は井脇という仲間と二人で、すでに何度か足を運んだ
洞窟に朝からこもっていた。
昼過ぎに帰り支度をして洞窟を出ると、井脇が少し山を歩こうという
ので散策をしていたら山中で洞口らしきものを発見した。
さっきの洞窟と中でつながっているかも知れないと、井脇が言ったが
叔父はまた洞窟に入るのを嫌がった。
未発見の洞窟に入るには準備が万全じゃないし、二人では心もとない
と主張したが、井脇がじゃあ俺一人でも入るというのでしぶしぶつい
て行ったという。
洞窟は狭く、立って進めはしたが叔父の勘ではいずれ行き止まりに
なるような感じだった。
ところが前を行く井脇が
「なにかいた」
といって足を速めだした。
先に進むと少し広い空間があって、その下に縦穴が続いていた。
躊躇する叔父に対して、異様な興奮を見せる井脇がずんずん降りていく。
叔父もようやく縦穴を攻略してふたたび横穴に出た。
すぐのところにまた縦穴があり、井脇がそこでどう降りるか思案中だっ
たというその時、その井脇の上になんの前触れもなく低めの天井から岩
が崩れ落ちてきて、ライトの明かりとともにすべてを押し潰した。
叔父はとっさに身を引いて、さらに崩落しようとしていたその横穴から
もと来た縦穴へと移りひたすら逃げたという。
叔父をさらに恐怖の底へ叩き込んだのは、ヘッドライトが落石を受けて
割れてしまったことだった。

予備のハンドライトも井脇が腰につけていたものだけだった。
だからいったのに、だからいったのに、と頭の中で繰り返しながら光の
差さない暗闇の中を手探りで進んだそうだ。
はやく光の下に出たくて心は急くのに、進む速度は来た時の倍以上。
さらに「この縦穴は来たときこんな形状だったか?」という不気味な
想像が沸いて心臓がバクバクいっていた。
やがて横穴に出て、あとは歩いて進める、と少しほっとした時うしろから
かすかな足音とともにこんな声が聞こえてきたという。
「おい、おい・・・」
井脇の声だった。
「おい・・・待ってくれ。体中が痛いんだ。骨が折れたかもしれない」
井脇のその声を聞いて、叔父は足を速めた。
後ろを一瞬振り返ったが当然暗くて何も見えなかった。
幻聴かと思ったそうだ。
さもなければもっと嫌なものだと思ったという。
手探りで進む叔父の後ろを、ズルズルという微かに足を引きずるような
音と、凍えるような息遣いが追いかけて来た。
しっかりしろ、はやく外に出て助けを呼ぶんだ。と自分に言い聞かせな
がら、叔父は追いかけてくる井脇の声を無視し続けた。
「まってくれ。あしが・・・あしが・・・」
すぐ後ろのような、遠いような、距離感のつかめない音響で声はついて
きた。
普通はこういう状況だと、幻聴だと思い込むより、まず助けに行くこと
がケイビングをする者の、というか人間の鉄則だろう。
僕もはじめてこの話を聞いたときは、憤った。

しかし、叔父は見たというのである。
あの岩が崩れ落ちてきた瞬間、消える直前のライトに一瞬照らされた
井脇の姿を。
確かに腹部が、生存不可能なほど潰される瞬間を見たというのである。
だからこの後ろからついてくる声は幻聴なのだと。
叔父はその声に「ついてくるな」と何度も言おうとして、止めたらしい。
言うとその声を認めてしまう気がして。
叔父は暗闇の中をひたすら手探りで出口を目指した。
ズルズルという音と息遣い、それと叔父の名前を呼ぶ声はそれでも
離れずついてきた。
完全な暗闇の閉鎖空間では、自分の頭の中の創造と現実の出来事とが
比較しにくく、しばしば幻覚のような症状が現れるという。
あれは幻聴だ、あれは幻聴だ。
という自分の言葉も、本当に声として出ているような、なんとも言えない
感覚があった。
だから後ろからついてきているモノにも、それを聞かれているような・・・

息が詰まる戦いの末、叔父はようやく洞口にたどり着いた。
光の中に出て叔父は洞窟の中を振り返ったという。
一瞬、闇の中に誰か人の顔のようなものが見えた気がしたが、それは間
違いなく自分の頭が生んだ幻だろう、と叔父は言っていた。

結局、井脇は崩落のあった場所で死んでいるのを発見された。
即死という見立てだった。
それからケイビングを一度もしてないし、これからももうやらないだろ
う、と叔父は言う。


ノコギリ

ある男が、ビデオを借りようとビデオ屋にいた。
特に目新しい物は無く、何も借りずに店を出ようとした。
が、あるビデオが男の目に止まった。

「ノコギリ」

カバーの無い剥き出しのテープに、題名が書いてあるラベルが張ってあるだけだ。
それも手書きである。
男はその妙なビデオに興味を持ち、借りる事にした。

家に帰り、ビデオデッキにテープを入れる。始まった。
何の前触れも無く始まる。ノコギリを持った男が林の中を走っている。
ボロボロの服を着、右手にノコギリ。そして無表情だ。
走る。ただ走る。
10分、20分、30分。場面は変わらず、ノコギリを持った男が無表情に走っているだけだ。
男は退屈になり、ビデオを止めようとした。

が、突然場面が変わった。林を抜け、今度は町の中を走っている。
そして住宅街に入り、一軒の家の前で立ち止まった。
そしてノコギリを持った男は、家の門柱を切り始めた。

すさまじいスピードで。恍惚の表情で。

男はしばらくビデオを見ていた。が、何かを感じた。
既視感。
そして気づく。

「これは俺の家だ」

男は窓から外を見た。いる。
ビデオと同じ。ノコギリを持った男が、門柱をノコギリで切っている。恍惚の表情で。
男は止める様ノコギリを持った男に向かって叫んだ。
が、ノコギリを持った男がやめる様子はない。

男は考えた。ビデオを止めれば良いのではないか、と。
ビデオデッキの停止ボタンを押す。そして外を見る。

ノコギリを持った男は消えていた。
外に出て、門柱を見る。半分ほど切られている。
門柱の側には、ノコギリが落ちていた。

今もそのノコギリは、大事に保管してある。


サリョじゃ!

2年ほど前のことです。いつものようにデートのあと、付き合っているM君に下宿まで
送ってもらっていました。M君は自称霊が見える人で、当時私はあまり信じていなかっ
たと言いますか、そのことについて深く考えたこともありませんでした。しかしいつもそ
のことを思い出してしまうのが、この帰り道です。実は帰り道の途中には彼がどうして
も通るのを嫌がる道があり、そのためいつもその道を迂回して送ってもらっていました。
彼いわく、その道には何かありえないようなものが憑いているので近づきたくもないそ
うです。

でもその日のデートはかなり遠出したこともあり、私はものすごく疲れていて少しでも
早く家に帰りたいと思っていました。この道を迂回すると、ものすごい遠回りをしなけ
れば私の家には帰れません。だからこの道を通って帰ろうとM君に提案したんですが、
彼は頑なに反対。結果ほとんど言い争いのようになってしまいました。(というか、私が
一方的に怒っていて彼が必死に止めようとしていただけかも。ごめんM!)最終的に
は私がひとりでもこの道を通って帰ると主張すると、M君もひとりで行かせるくらいな
らと、ついてきてくれることになりました。

その道に入ると、M君は目に見えて怯えていて、顔は真っ青でした。時間は23時くら
いでしたが、街灯もあって真っ暗というわけでもなく、私からすると普通の道。私もや
はり気になって訊いてみても、「今はまだ大丈夫」ということでした。少し進むとY字路
になっていて、私の家に帰るには左の方の道です。このあたりになるとM君も少し落
ち着いてきていて、私も安心して何の躊躇いもなくY字路の左側の道に入りました。

左側の道に足を踏み入れた瞬間、何か急にあたりの雰囲気が変わりました。物音が
一切しなくなって、心もち明かりが暗くなりました。(M君がいうには、本能的に目の前
のものに集中したため視界が狭まっただけということです)足が寒いところにずっと立
っていたあとのように痺れて引きつり、上手く歩けません。力も入らないのでその場に
座り込んでいてもおかしくなかったのですが、なぜかその引きつった足が体を支えて
いて、私はその場に立ち尽くしました。

いきなり前方からゴッと突風のようなものがきました。感覚としては、すぐ横を電車や
大型車が通過したときのあの感じです。そしてその瞬間

「サリョ(鎖虜?左路?)じゃ!サリョじゃ!」

という大小の声があたりに鳴り響きました。近いものは私のすぐ耳元で聞こえました。

突風のようなものが過ぎ去ったあと、私は呆然と立ったままでした。M君は先ほどま
でとは比べ物にならないくらい血の気のない顔をしていましたが、急に私のほうにや
ってきたかと思うと、ものすごく必死に私の足を何度も何度も平手で叩きました。あと
で赤く腫れ上がるくらい力を入れて叩かれたのですが、このときは足の感覚がなく、
全く痛みを感じませんでした。でもすぐにやっぱり痛くなってきて、同時に足に感覚が
戻って私は地面に崩れ落ちました。横を見るとM君も地面に座り込んで、相変わらず
顔色は悪いのですが「もう大丈夫だから」と息を切らせていました。M君によると、左
の道に入った瞬間前の方から黒いモヤモヤしたものが雪崩のように流れてきて、私
たちの体を包み込むように吹き抜けて行ったそうです。私の足にはその黒いモヤモ
ヤから出てきた無数の手が絡みついていたそうで、それを払い落としていたのだとか。

そのあとM君は泣いている私を背負って下宿まで送ってくれて、朝まで一緒にいてく
れました。愛だね。その後私は怖くてその道に近寄ることはなかったのですが、半年
ほどたって恐怖が薄れてきたころ、昼間だったら大丈夫だと思って見に行ってみまし
た。以前に何度か通ったことのある道だったのですが、注意して見てみると愕然とし
ました。

まず、なんとそのたかだか50メートルほどの道(Yの字になっていますが)に、小さな
祠やお地蔵さまが計7つも密集しているんです。そしてその道に面した家の玄関のほ
ぼ全てに盛り塩がしてありました。中にはお酒が置いてあったり、何枚ものお札がベ
タベタ貼ってある家も。そしてこの周辺ではありえないくらい、廃屋と化した空き家が
目立ちました。そういえば最初のほうで書いた「この道を迂回すると、ものすごい遠回
りをしなければならない」というのもおかしな話です。区画整備された町並みで、この
一画だけ、周囲の車道は大きく迂回するかそこで行き止まりになるかしているんです。
唯一このY字路と、そこから分かれた毛細血管のような複雑な小道だけが、そこの交
通手段となっています。

気味が悪いので地元の人間である学校の先輩に訊いたところ、この一画には昔、い
わゆる部落があったそうです。それだけではなく戦時中に何か忌まわしい事件があっ
たらしく、部落自体は終戦前になくなったのだとか(その事件の内容はタブーとされて
いるらしく、先輩も知りませんでした)。しかし地元の人間も忌諱して、その後もずっと
その土地には手をつけず、20年になってようやく外から来た人間が住み始めたのだ
とか。

いったい部落で何があったのか。「サリョ」というのは何なのか。気になりますが、先輩
やM君の忠告もあり私はそれ以上調べることを止めました。みなさんも、もし兵庫県
の某有名暴力団本部のある都市に行かれることがあれば、気をつけてください。何故
か主な車道が途切れたり迂回しているからと言って、むやみに近道しないように。


泥団子

5年ぐらい前の話です。

私の仲の良かった友達(Aとします)が、引っ越をしました。私も引越しの荷物運びを手伝うため、Aの新居に行ったんです。出発したのがお昼過ぎで、荷物が 多かったこともあり運び終わった頃はもう、午後8時半を過ぎていました。取り合えず近所のコンビニでご飯を買って友達と食べて、少しだけ荷物の整理をして その日は寝ました。

翌朝、起きたとたん土の匂いがしました。Aを起こすと、Aの足がなぜか泥だらけなんです。夜はだしで外に出たとしても近所に泥が付くようなところはない し、床などは一切汚れていませんでした。Aがシャワーを浴びているあいだに私が朝食を作ろうと思い、玄関の横にあるキッチンに行ったとき、ふと玄関に黒い 物落ちていることに気づきました。

泥団子が3つ…。

Aの悪戯かと思った私は、泥団子を捨てて、Aがシャワーを上がるのを待ちました。Aは全く知らないと言うばかりで段々気味が悪くなってきました。帰ろうとも思いましたが、Aを一人残して帰るのも気が引けたので、もう1日だけ泊まることにしました。

目が覚めると昨日と同じ土の匂い。Aを起こすとAの足には大量の泥。床は汚れてない。まさかと思って、玄関に行って見ました。

泥団子が2つ…。

Aも気味悪がって、引っ越したばかりで荷物も散らかったまま、二人で私の家に行くことにしました。二人とも黙ったまま時間が過ぎて行き、そのまま寝てしまいました。

次の日も同じでした。土の匂いに、Aの足は泥だらけ。床は汚れておらず、玄関には泥団子。

今日は1つです。

ふと私は思いました。

「明日になったら0…。0になったらどうなるの」

Aも同じことを思ってたみたいです。全く想像も付かず、(「死ぬ」いうことは除いて…)ただビクビクするだけでした。結局どうすることも出来ず、Aと私はその日も何もせず寝ました。

次の日、土の匂いはせず、Aの足も汚れていません。玄関に泥団子もありませんでした。何も起こらなくて良かったー。と思う反面、本当に大丈夫なのかな?とも思っていました。

Aはスッカリ安心したようで、今日は自分の部屋に戻るといいましたが、私が心配だったので、今日もAを家に泊めました。その日は楽しく食事もし、夜遅くまで話し込んで寝ました。

夜中、トイレに行きたくなり目が覚めました。トイレから戻ってくると、生臭いような匂いがしました。窓を少しだけ開けてベッドに戻ろうとしたとき、「メキッ」という音がして、Aの方を向きました。

そこにはAの足をつかんで引っ張っている小さい男の子の姿。目を見開いて、すごい形相でAの足を引っ張っていました。Aは全く起きる気配もなく私は恐くて Aの肩を揺らし、起こしました。しかしAは起きません。Aは小さな物音にも反応して起きてしまう人だったのに、どれだけ肩を揺らしても全くおきないので す。私は横目でAの足元を見ました。

「ミチュミチュ」

という音がして、くるぶしの上のところから血が出ていました。肉がはがれていました。骨が見えました。私はそのまま気を失ってしまい、次におきたときはAの姿も血のあとも男の子も消えていました。

Aは行方不明になりました。私は2年ほど精神病院に入院していました。あの日のことは毎日夢に見ています・・・。


泉の広場2~赤服の女~

三年近く前、泉の広場のところで、ヘンな女がうろついていた。通勤の帰りによく見かけた。三十前後で、赤い色のデザイン古そなドレスっぽい服着てて、小柄 で、顔色悪く目がうつろ。髪は背中近くまであって、伸ばしっぱなしに見えた。目立つ服の色となんか独特の雰囲気があって目がいってしまう。でも怖い(キ 印っぽい)感じして、何気なく観察はしても目はあわせんようにしてた。女はいつも広場の中をうろうろしてた。地下出口出たとこの何本か外れた飲み屋筋に立 ちんぼのねーちゃんの多い場所があって、そこのねーちゃんかな?と思ってた。

ある日の仕事帰り、広場内の薬局の店頭でコスメの安売り見てた。私は買い物するの時間かけるほうで、そん時も多分一時間近く店にいたと思う。その夜も女は 広場をうろついていて、いつものことなんで特に気にとめてなかった。でも、店から出た時、視線感じて顔上げると、広場の真ん中の噴水を隔てて、女がこっち 見てた。なんかヘンな感じがした。私は目が悪くて、眼鏡かけてても少し離れた場所だと相手の顔とかよく見えないのに、女は妙にくっきり見えたんよ。3Dみ たく。目があった途端、気持ち悪くなった。何か本能的に怖くて、びしぃ!とチキン肌立って。(うわ、ヤバい)(でも何が?)自分でも思考回路謎のまま、そ れでも反射的に店内に戻ろうとしたけど、金縛りかかったみたいに身体が動かん。助け求めようとして声すら出ないことに気付いた。いつもふらふら歩いてるは ずの女が、すっと素早く近寄ってくる。明らかに普通じゃない様子で、髪振り乱してドレスの裾ゆらしてこっち来るのに、誰も気付いてくれない。もの凄い顔で 笑ってて、その表情の怖さにふーっと気が遠くなった。だって、目のあるとこ、全部黒目にかわってるんやで。怖い、もうあかんって思ったときに、いきなり誰 かが後ろからぎゅっと腕を掴んできた。

驚いて顔上げる(ここで身体の自由が戻った)と、男の人で、話しかけようとしたら「静かにして」って小声で注意された。呆然として顔見上げてると、男の人 はますます手をぎゅーっと握ってきて、怖い顔で前を見てる。吊られて視線戻したら、女がすぐそばに立ってて、男の人を呪い殺しそうな目つきで睨んでた。す ごい陰惨な顔してて、怖くて横で震えてたけど、女はもううちのことは眼中にない感じで、

「…………殺す……」

って、つぶやいて、男の人の横をぶつかるみたいに通りすぎて店内に入ってった。

男の人はその後、私をぐいぐい引いて、駅構内までくると、やっと手を離してくれた。駅が賑やかで、さっきあったことが信じられんで呆然としてると、「大丈 夫か?」って声かけてきたんで、頷いたけど、本当はかなりパニクってたと思う。相手の名前聞いたりとか、助けてもらった?のにお礼言うとか、まともにでき なかった。男の人は改札まで見送ってくれた。別れ際に、「もうあそこ通ったらあかん」 とか言われて、「でも仕事あるし」「命惜しかったらやめとけ」答えようがなくて黙ってると、「今日は運よかったんや。あんたの守護さんが俺を呼んであんた を守ってくれたんやで」「………………」「たまたまやねん。わかるか?あんたが助かったの、たまたま守護さんがわかるもんが、たまたまそばにおった、それ だけやで。あいつにとり殺されたくなかったら、もう通らんとき」(守護さんって何やのん。守護霊のことか?)霊なんて見たことなかったから、自分の体験し たのが何なのかわからなかった。(正直、今もわからない)女はどう見ても生身の人間に見えた。それで返答に困ってると、その人は私に何度も一人で通るなよ と繰り返して、行ってしまった。

未だにアレが何だったのかわからない。私は二ヶ月後、そこの仕事場辞めたけど、その間夜は泉の広場は一度も通らなかった。男の人も、女も共に謎。男の人の 名前、聞いて置けばよかった。助けてくれたんなら(今も半信半疑だけど)お礼言いたかった。反面、かつがれたんかな?と思わなくもない。(でも目的は何 さ?)すっきりしない。始め、この体験談大阪の心霊スポットスレにカキコしようかと思ったけど、霊体験かわからないんで(だってあんなリアル幽霊ってあり か? どう見ても人間に見えた)、こっちにしました。かつがれたならそれはそれで不可解な話(藁

そんなたいした後日談じゃないんですが…。怖い目にあった次の日、性凝りもなく泉の広場を通ろうとしたのな。霊体験の少ない悲しさ(ワラ で、なんか日が 変われば白昼夢(夜だったけど)見たみたいな感じで、恐怖感が薄れたんさ。実際昼間通った時は、何ともなかった。で、帰り道。さすがに暗くなってると、あ の男の人の(とり殺される)って言葉が浮かんで怖かった。ただ、梅田界隈って賑やかやから、警戒心は薄れてた。自分の中に、女が人間かどうか確かめたい気 持ちもあった。でも、甘かった。泉の広場に続く階段を途中まで降りると、赤服の女がしっかり居たのな。下から三段目ぐらいの、階段右の隅っこのほうに、背 中こっちに向けて座ってた。(もしかしてこれは待ち伏せ?)反射的にそう思った。私は広場をうろつく姿は見てたけど、女が階段に座ってるのを見たことはな かった。妄想かも、と思ったけどぞっとした。逃げたほうがいいと思った時、女がゆらぁと立ち上がった。まるで、操り人形の糸を引いたみたいな不自然な立ち 方で、何故かその瞬間、(あっ、こっち向く!!)って判って、慌てて階段駆け上がって後も見ず逃げた。その時は体動いたんで、神様ありがとうと結構マジに 思った。

それからは、全然泉の広場付近には行ってない。チキンな私にはもう確かめる根性はなかった。ただ、仕事辞める少し前、あの道を通る同僚の子三人に、(怖い 体験は伏せて)広場に赤い服着た女の人いるよねって、聞いてみたら、二人は、そんなん見たことないと言って、一人は、あー、あの不気味な人ねと返してくれ た。見たことあると言った子は、とにかく怖い感じなんで視界に入らないようにしてると言ってた。彼女も幽霊とは思ってないみたいだった。今でもたまに、あ のひとまだあそこにいるのかなって思う。…しょぼい後日談でごめんね。でもいまだに確かめる勇気なし。


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