このお話はとあるサークルの飲み会からはじまります。
僕は大学の友達・鈴木君に誘われ、男10:女10の飲
み会に人数あわせでお呼ばれされました。 鈴木君は仲間
内での飲み会だったのであろう、大変はしゃいでいました。
僕は彼ら彼女らと共通の話題もなく、どんどん端に追いや
られていきました。そこには周りとは違う雰囲気のT君が
座っていました。僕も黙って飲むのはあまり好きじゃなか
ったのでT君と会話をしてみることにしました。
T君は話してみると、ごく普通の「よくいるよそんな暗
めなヤツ」でした。彼もまた人数あわせの一人。彼の趣味
はインターネットで有名な巨大掲示板の閲覧・書き込み、
そして、まとめることだそうです。
そこで、こんな話を聞きました。それは、ごくごくまれ
に板違いで同じIDが存在するとの内容で、今、それを彼
は集めているとの事でした。一つIDを適当に作り、その
IDをひたすら探し回ってどんな発言しているか閲覧、時
にはまとめたそうです。彼が言うにはこのIDは掲示板上
での名前であり、同姓同名の人を探すのと同じだという。
最近見つけたIDの書き込みは、独り言?の書き込みが
多く、でも誰かと会話している様な書き込みだそうです。
そして、決まって最後は「詳しくはこのURL」しかし、
そのURLはいつもサーバが見つからなかったが、二日前
に始めてジャンプできたそうです。とんだ先は何も書かれ
てない真っ黒なページだったそうです。
時間も随分とたち、終電を逃した僕は、比較的ウチが近
かった、T君のウチに泊めてもらうことにしました。そこ
でも再び二人で飲みなおし、いつしか眠ってしまいました。
ふと目を覚ますと部屋は暗く、T君がPCのディスプレ
イに向かって座っていました。僕はまだ眠かったので再び
眠りにつこうと思い目を瞑りました。
すると、
「クスクス・・・ ククク・・・」
「アハ・・・ ハハハ・・・」
笑い声に似た音が聞こえました。
そーっとT君を見てみると先ほどとは違う表情のT君が居
ました。ディスプレイに目を移してみると、真っ暗なバッ
クに赤い鳥居が描かれていました。何か嫌なものを見てし
まったような気持ちになり眠ったふりをすることにしまし
た。
次の瞬間
「うひゃひゃ」
「うひゃひゃひゃひゃひゃ」
「うひゃ」
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
「死ね~、死ね死ね~~」
「何処までも着いて行くからな~~」
僕は気を失い、T君の眠った顔を横目に逃げるように帰宅
しました。
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