ある女がAという男の自宅前で自殺した。二人に接点は何もなかったので事情聴取もすぐに終わった。
女の両親は本当に何もしてないのかと最初はAを疑ったが、男を信じ、お詫びにと自宅に誘った。誘いがしつこいのでAは行くことにした。

両親は娘のアルバムを何冊も見せ、思い出話を語った。過保護というやつである。
ふと、ある写真が目に入った。男の子が骨折している写真である。
これは?と聞いたら「娘にぶつかってきたので私が階段から突き落としました」と、父親は穏やかな顔で言った。
こいつ、何か変だ…Aは帰ろうとしたが、なかなか帰らせてくれない。
アルバムがめくられる。
全身火傷をした子ども…「娘に花火を向けたので灯油をかけて火をつけました」
頭皮がはがれている子ども…「娘の髪をひっぱっていじめていたので、柱に縛りつけて髪を全部抜いてやりました」
「あ、死体は全て庭に埋めてるんですよ」

穏やかな顔でAを見る。
Aは怖くてたまらなくなった。
こいつらやばい、やばい…逃げなくては…逃げなきゃ俺は……

「Aさん最後にもう一度聞きますよ。

あなたは本当に娘に何もしてないんですね?」