おねえちゃんの友だちの友だちが体験した、すごい恐い話。
ある朝いつものように会社に行く時、近所で有名な開かずの踏切にさしかかったの。
この踏切は朝晩のラッシュアワーには5分以上も開かないことがあって、
慣れてる人は遮断機を手で上げてどんどんわたっちゃうんだって。

おねえちゃんの友だちの友だちは、踏切につかまることがわかってるから、
いつも早めに出勤していたの。同じ時間に踏切にいる人の顔ぶれもだいたい同じ。
目が合うと軽く会釈する間柄のなかに、その朝だけは見たことのない女の人がいたんだって。
その女の人はいかにも表情が暗くて、朝から何か思いつめたみたいな顔をしてたんだって。

そして何台目かの電車がくる直前、
この女の人は人混みをかき分けていきなり遮断機をくぐっちゃったんだって。
で、次の瞬間、女の人は電車に飛び込んじゃった。

遮断機のすぐ前にいたおねえちゃんの友だちの友だちも同じ。
ドンって突き飛ばされてよろけたと思ったら、もう目の前で女の人が飛び込んでたんだって。

本当に恐かったのはそれから。
自殺した女の人の首がポーンって宙に飛んで地面に落ちた後、目の前に転がったの。
それで、目が合っちゃったらしいの。
そしたら、女の人の首が「見るな!」って言ったんだってさ。
おねえちゃんの友だちの友だちは、それ以来、病院に入ってるらしいよ。