マイナスドライバー

そんなに怖くないのですがきいてください

私がまだ4~5歳の頃の話です。

当時家には風呂が無く、よく母親と銭湯に行っていました。
まだ小さかったので母と女湯に入っていました。
或る日のこと、身体を洗った後飽きてしまった私は、湯船の
中でプールよろしく遊んでいました。

今迄気付かなかったのですが、湯船の横から階段状になりドア
が付いているんですね(何処もそうなのかも知れません)

私はふとそのドアが気になって段々を昇りドアの前まで行った。
ドアノブの直下に大きな鍵穴があるのです。
ワクワクして覗きました。・・・・・向こう側は何かに覆われて見えない。
なんだ、ツマらない。いったん顔をあげました。
何を思ったかもう一度鍵穴を覗き込んだのです。

ぼんやりとした明かりの中、ボイラーとおぼしき器械が見えました
おわースゴい。夢中になって覗いていました。
ドアの向こうの気配、それとも何かが知らせてくれたのか
突然、私は目を離し身を引いたのです。

そして次の瞬間、鍵穴からはマイナスドライバーの先端が狂ったように
乱舞していました。・・・・・・
私は息を呑みそこを離れ、コワくて母親にさえ話すことが出来ませんでした

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元彼の洒落にならない体験談。

肝試しが好きでその日も○○山へ車で肝試しにいった。
山に入ってしばらく進むと脇に小さい神社があってさ。
興奮してみんな「あそこやべー!」とか言ってんの。
酒の勢いもあって車の中のやつら全員乗り気。
大丈夫だって!!と何を根拠にいうのかわからんが馬鹿笑いしながら運転手のBが車を止めた。
神社はこれといって何もなかった。
小さな祠が一つあって、その祠の側にでかい木が一本立ってた。
周りは真っ暗で雰囲気は最強だったが全員酒が入ってるので関係ない。

「うひょ!こえぇええ!」

なんて言いながらおもしろ半分に祠に手を合わせたり付近でふざけ回ったりしていた時。
霊感が微妙にあると言うAがふざけるのをやめて俺の方をじっと見つめてる。
俺は祠の側の木を背にして立ってて、「エロくて裸エプロンで仕事帰りの俺を迎えてくれるあゆ似の彼女を俺に下さい!!」とか祠に祈ってる連れをみながら爆笑していた。
Aもさっきまで一緒に爆笑していたのに、急に真剣な顔になって俺を見ている。

そして突然おれの手首をつかんで強引に俺を引っ張った。

「なぁ、こんな時に悪いんだが、俺、明日早いんだわ。そろそろかえらねぇ??」

Aの顔が懐中電灯の中で妙に青白い。

「なにいってんだよ、お前明日休みとかいってたじゃん」
「まじわりぃ。ぼけててさ、忘れてたんだよまじ。」

Aはそう言って笑ったが無理矢理作った笑顔みたいな感じだった。
Aが微妙に霊感があることは皆知ってる。
もしかしてやばいのか?でもいつもならこれ以上は行くなとかあそこに○○がいるとかまず言うしこいつ。
はしゃぎまわってるやつを収集して車に戻りエンジンをかけた。
するとAが早口で言った。

「絶対神社の方見るな!!!」

この一言で全員了解。
かなり飛ばして峠を降りた。
車内全員無言。
Aはうつむいて青白い顔でなにやらぶつぶつ言っている。

地元の町について、ファミレスに入り、俺が聞いた。

「なにがいたわけ?」
「後ろ向いたやついる?」とA

全員見てなかった。
それかrなおAの答えを聞いて全員てんぱった。

「Y(彼)が立ってたとこの後ろに木があっただろ。そこから白い着物来た女がゆっくり出てきてお前の首に手をかけようとしてたんだよ。目がやべぇんだよ…俺も酔っ払ってていつからあの女がいたかよくわかんねぇんだけど最初は木の陰にいてさ。酔い冷めて固まってしばらく見てたらなんか出てくるんだよ。皆が車に走る間その女ずっとお前の事目で追ってたぞ。エンジンかかるまで生きた気しなかった。あんなやばい気初めてだったわ。安心して神社の方見たら、その女、こっちに向かってくるんだよ。最初はゆっくりだったけど段々スピード上がってくるの。絶対生きてるもんの早さじゃないの。まじ、すぐ後ろをキープしてはしってんの。途中で消えてくれたけど、追い付かれたらどうしようと思って必死でお経となえてたんだ、俺。」

「なぁ、なんで言わなかったんだ?」俺が聞いた。

「あんな至近距離で言えるかよ。見えてるってばれたらそれはそれでやばいぞ。全員ぱにくって運転とか無理になんだろ」

うちの元彼は白い着物の彼女に狙われていたらしいです。
この彼は肝試し好きな性格のせいで自分は見てないけど実はヤバかった系の話しをけっこう話してくれてたのでまたアップします。

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ぼろぞうきん

俺がまだ小学校3年生でクワガタ虫捕獲に夢中になっていた時の事です。
小学生の時はゲットしたクワガタの大きさ種類でヒエラルキーがあった筈。
5年生のH君がヒラタクワガタをゲットした。と情報が流れその情報に奮起した俺たち3年生二人と6年生のO君が近所のD山に最強のミヤマを捕りに行く事になった。
ミヤマクワガタが最高のランクで赤くてクワがすごければもうそれだけで学校のチャンプだったのだ。
D山はちょっと小高い山の上にテニスコートのあるクワガタがよく捕れるポイントだった。
周囲は金網で覆われて基本的には立ち入り禁止だったがおかまい無しでみんな金網に穴をあけたり、金網を乗り越えたりしてクワガタランキングに挑戦していた。
私有地であるにもかかわらず(893の私有地だという噂もあった)。
まぁ、小学生ってのはそんなものだったとしておいて下さい。

いつもの用に金網にあいた穴から山に入り込んだガキどもはクヌギを蹴っ飛ばして落ちてくるカナブンやらコクワガタを広い集めプラケースに入れて目的地に向かった。
目的地は一番でかいクヌギの木で、その木ではヒラタはおろか伝説のオオクワガタすら捕獲出来たと言うありがたい木だった。
蹴りだけではびくともしないので最年長のO君が木に登り、ミヤマを探す。という作戦を立てた。
ミヤマは高い木の上にいるのです。
猿のようにクヌギの木に登るO君を下でハラハラしながら俺たちは見守っていた。
しばらく木の上でごそごそやっていたO君が急に木から降りてきてこう言った。

「あのよう、あそこの囲いの中に雑巾のでかいやつが引っかかってるんだけど。」

そう言ってO君は茂みの中に少しだけ見えている緑の金網を指差した。

「のこぎり爺だったりして(w」

と俺たちはからかった。
のこぎり爺とはこの山に住んでいるという怪老人で、でかいのこぎりで侵入者を追い回す噂の人物だった。
いつもこの山に入る時はのこぎり爺の気配に気をつけながら侵入していたのだ。

クワガタの事は忘れて俺たちはその囲いの方へ足を向けた。
近づくにつれ、むかつくような臭いと(死んだザリガニの臭い)大小の蠅が気になった。
ちょっと窪地にあるその囲いは変電機を守るためのものだった。
そこには雑巾というよりは洋服を着た雑巾ではないものがぶら下がっていた。
猛烈な臭い、蠅の飛び交う音も聞こえる。
おわかりだろう。
俺たちは首縊り雑巾を見つけたのだ!

「首つりだ・・・」

怖くなって、でも逃げたら追いかけてきそうなのでゆっくりと元来た道を戻り、小走りで少し広い場所まで逃げた。
最年長のO君は頂上にテニスコートがあるのを知っているので通報してくる。
お前らは山から脱出しろ。
のこぎり爺に気をつけろ。
と言って別の道を通って通報に行った。
後に残された二人のガキどもは怖くなって急いで山を下りる事になった。

途中、何度も草に足を取られ転び、転げ落ちながら2人は山を必死に下りた。
一緒に居た仲間が本格的に擦りむいたので少し休憩した。
そこらの葉っぱで傷口を拭きながらさっきまで恐ろしいものがあった場所を振り返る。
生まれて初めて見る生死体。
それも腐った死体だという事実に二人はガクブルだった。
O君は無事に通報出来ただろうか?
そんな事を考えているとさっき降りてきた道を黒いコートを着たような男(?)が登って行くのが見えた。
ゆっくりとまるでえさを探す熊のようにのっそりのっそりと登って行く。

「おい、あれのこぎり爺じゃねぇか!?ヤバいよ。」

傷を葉っぱで拭いていた友人が俺に耳打ちした。
俺は恐怖マックスでうなずく事しかできなかった。

「うわ~~~~~!zght#’&ふじこ!!」

一気に恐怖が襲いかかり、こけようが何をしようがとにかく山を駆け下りた。
有刺鉄線で穴の周りを囲われた金網の穴に二人でサーカスのライオンのように飛び込んで二重の脱出劇を味わった二人だった。
俺はこのとき太ももを有刺鉄線で引っ掻いたらしく左の腿は血だらけだった。

結局、クワガタどころの騒ぎではなく山の下にはもう何台もパトカーが止まっていた。
O君もそこに居た。
O君が言うにはもう既に誰かが通報していたらしく俺たちが気づかないうちに仏さんは病院へ搬送されたのだそうだ。
つまり、山の下にいるパトカーは現場検証のためのパトカーなのだ。
救急車は居なかった。
ここでO君も含め、俺たちは釈然としないと言うか、おかしいと思う点があった。

まず、O君と俺たちの共通の疑問。
・もう通報されて仏さんは運び出されていたなら、俺たちが見たあの死体は何だったのか?
・山へ入る時は車の1台も止まっていなかったし、パトカーなんて目立つ車はいなかった。

そして、O君を除いた俺たちの疑問
・あの黒いコートの人物は誰なのか?
・警察が現場検証をしているならなぜ警察官とは出会わなかったのか?

警察官に太ももの応急手当をしてもらい(マキロンぶっかけただけ)警察にもう帰るように言われた。
黒いコートの男の話をするべきかどうか迷ったが話せなかった。
O君にも話してはいなかった。
のこぎり爺だったんだろうか?
その年の夏以降、俺たちはD山へは行かなくなった。
もっとクワガタが捕れる場所を見つけたのもあるが、何となくD山へ行くのが嫌だった。
太ももの傷はもう何十年経っているがまだ残っている。

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返却BOX

しまった!
今日がDVD返す日だった!!
夜中布団の中で、はっと気付いた。
時計を見ると1時ちょうど。
店は深夜1時までなのでまだ間に合うかも!
私は飛び起きてレンタル店へ走った。
店に着くと、もう中は真っ暗で営業は終わってしまったようだ。
え~どうして?
いくらなんでも1時ちょっと過ぎまでは営業するだろ、普通。
仕方ない、返却BOXに入れとくか。
返却BOXにDVDを入れようとしたら、入れ口に何か白いものがあった。
なんだこれ?ビニール袋の持つ部分?
あっ、そうか、私の前に返却した人がちゃんと入れずに引っ掛かったんだ。
・ ・ ・もしかしてこれってチャンス?
いいDVDとかだったらもらっちゃおうかな。
周りに防犯カメラや人が居ないのを確認してから、私は入れ口から少しだけのぞいているビニール袋の端を引っ張り、引き出そうとした。

「ズルッ」

勢い余ってかなり乱暴になってしまい、ビニールは破け、中身は飛んで私にぶつかってバラッと落ちた。
結構大きな音がした。

「カラッ、カラッ・・・」

まずいな、誰かに見つからなかっただろうな?
少しその場を離れて見回してみたが、大丈夫、誰も居ないようだ。

さて、何のDVDかな?
ケースは見当たらず、中身だけ落ちている。

傷がついてなければ良いけど。
私は拾い上げようとして手を伸ばしたが、そのまま固まった。
それはDVDではなく、鏡だった。
手鏡の取っ手部分をむりやり折って丸い部分だけになった鏡だった。

なんで?!

私は意味が解らず、しばらくその鏡を見つめていた。
その時、店の前を車が通りすぎた。
一瞬だがヘッドライトの光がこちらに向いた。

鏡に反射してピカッと光った。
まぶしい!
思わず目をそらしてしまった。
再び鏡を見ると、無くなっていた!
ほんの一瞬目を離しただけなのに。
更に分けがわからなくなって、もういいや、とりあえず自分のDVD返却して帰ろう。
そういえばあの入れ口、壊れて無いよな?かなり強引に引っ張ったからな。
入れ口を見てみると、ギョッとした。

入れ口から手が出ていてこちらに向かって「おいで、おいで」をしていたのだ。

・ ・ ・いや、待てよ、できすぎだ。
あ~、なるほどねえ。
店を早めに閉めてバイトが私みたいな客に仕掛けたいたずらか!
たしか前に自販機の取り出し口から手がでていたとかネタがあったよな。
鏡にも糸かなんかついていて私が目を離した隙に隠したんだろう。
「おいで、おいで」をしている手を良く見てみると女の子の手のようだ。
ピンクのマニキュアをしている。
耳をすますと、心なしか、小さな話し声も聞こえるようだ。
私は「うわ~」と大げさに驚き、一目散に逃げた。
ように見せて、こっそり店の裏に回り建物の影から入れ口を覗いて見た。
まだ「おいで、おいで」をしている。
随分やってるな。
もういいだろ。早く出てこないかな。
もし可愛い子だったらこれをきっかけに・・・などと考えていると、

「ポトリ」

手首から先が落ちた。

・ ・ ・なにも考えられなくなった。
ただただその手首を見ていると、

「カサカサ、カサカサ」

指を足のように使いながら這いずりはじめた。
なにかを探しているかのよう・・・あっもしかしてあの鏡か?
これって相当ヤバイんじゃ。。

「ガタッ」

無意識のうちに壁に体をぶつけてしまった。
すると手首が動きを止めた。
指が5本ともこちらを向いた。
しまった、見つかったか!!

手首は私の方へなにかの生き物のように這ってきた。
逃げようとしたが全く動けない。

「カサカサ、カサカサ」

足を1歩伸ばせば届く所まで近づいた。
もうダメだ、私は歯を食いしばって目を閉じて観念した・・・

だがそれは私の横を通りすぎていったようだ。
だんだん「カサカサ」という音が遠ざかっていく。
5分ほど経っただろうか、そっと目を開けて辺りをうかがうと、何も無かった。
汗をびっしょりかいたが、冷静になって自分を思うと少し恥かしくなってきた。
何、真夜中に店の裏で立ちすくんで汗だらだらかいてんだ!自分?
手首が動いたように見えたのも、ビニール袋が風で転がったかなんかだろう。
は~あ、あほだな自分。
思わず一人ぼけ突っ込みをしながら店の前に出た。
端の方にまだビニール袋が転がっている。
もう騙されないって!
まあ私をあれほど怖がらせたビニール袋だ。
悔しいから1回くらい蹴飛ばして帰るか。
近づいて見ると、ビニールではなかった。
そこには折れた鏡を大事そうに撫でまわしている手首があった。

私は無言で後ずさりをしてクルッと振り返って、これ以上速く走ったら死ぬかもという勢いで家に帰った。
そしてそのまま寝入ってしまった。

次の日の朝、親が血相変えて起こしに来た。

「お前が良く行ってるレンタル屋、強盗入って女の子が死んじゃったって!」

えっ、昨日返しに行ったけど・・・と言おうとして止めた。
机の上にはまだ返していないDVDがあったので、昨日の出来事は夢だったんだろう。
あ~変な夢見たな。
なんか良く寝たはずなのに疲れたよ。
店に警察がいっぱい来ていて大騒ぎだから見に行こうと言うので、着替えようとしたら、何かが胸のあたりからポトリと落ちた。
キラキラ光っている。

拾い上げてみると、鏡の破片だった。

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縁取りするように

友人の話。

6年前くらいの話なんだが、Mは心霊巣スポットマニアで、各地の心霊スポットに行っていた。
彼自身霊感が多少あるが極稀に見えるくらいだった。

その年の夏、Mとその友人らは樹海に行った。
Mは多少嫌な雰囲気を感じてはいたものの、ここは東日本最大の心霊スポット富士の樹海。
それゆえ、もっとすごい気配がするのかと思っていたこともあり、期待はずれな感もあった。
樹海に続く遊歩道を懐中電灯の明かりをたよりにあるいたが、何も起こることはなく、皆暗闇の恐怖を味わう程度で、帰路に向かった。

帰りの車の中、TVの話題などたわいもない話題で盛り上がっていたが、Mだけは憂鬱そうな顔をしていた。
ほかの連中はMの様子に気づき、「大丈夫か?具合でも悪いんか」と声をかけた。

「樹海に入るときの嫌な感じがまだ抜けないんだ」とM言った。
「気のしすぎじゃねぇの?」と、もうひとりが言い、話題はまたたわいのない話に戻った。

高速を地元のICで下り、近くのコンビニで飲み物を買おうということになった。
車を降り、みなで深夜の人気のない店内に入った。
一行の姿が大きいガラス窓に映った。
そのときMは違和感を覚えた。
一緒に来ていた友人Iが少し大きく見えたのだ。
Ihaほかの連中と背丈は対して変わらない筈。
しかし窓に反射しているIはほかの友人より少し大きく見える。
窓から目をそらし、飲み物を探すIを見た。
いや、決して大きく見えない。
Mはもう一度窓ガラスを見た。
あることに気づく。

Iの体の周りに黒い影が付いている、まるでIを縁取りするように。

いや、違う、後ろに一回り大きな人がいるようにみえた。
もう一度Iを見る。
近くにそんな大きな人は居なかった。
やっぱり、違和感は間違いじゃない、何かがIに憑いてきてしまっている!

Mには多少の霊感はあるがそれを取り払うようなことは出来ない。

「Iには悪いがだまっておこう。俺の所にはこないだろうし。」

Iには霊感などはなく、黙っていれば気づきもしないだろう。
Mはそう結論をだし、黙ったままにしていた。

その後、数日、数ヶ月たってもIには何も起こらず、M自身もそのことを忘れかけていた。

しばらくは心霊スポットも行かず、大学の夏休みに実家に帰ったMは母子家庭で自分を育てた母に大学の様子などを伝えていた。
その夜、母と布団を並べ、眠りにつこうとしていたその時、急に激しい金縛りがMを襲った。
重たい空気が体を押しつぶすようにMに重くのしかかる。

「母さん!母さん」

隣に寝ている母に助けを求める。
しかし母にはとどかない。
すやすや寝ている。
いい気なもんだ。
どうやらMだけが金縛りに掛かっているようだ。
ふと庭の方に気配を感じ、窓を見る。

「!!!!!」

そこでMは恐怖を感じた。
窓の左上から女が顔を覗かせていた。
頭を下に向け無表情なその顔の目は動けずに恐怖で引きつった顔のMを見ている!

「うわ!!」

Mが叫んだ瞬間、その顔は窓の左上から右上にすごい速さでスライドして、そのまま消えて行った。
Mは恐怖に勝てず、そのまま意識を失った。

後日、Mは私にこういった。

「あのコンビニの黒い影、女だったんだよ・・・あのときIじゃなくて俺に憑いて来てたんだな。まだ時々見るよ。もうなれたけどな」

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