動物霊

641 :本当にあった怖い名無し:2010/04/25(日) 04:43:51 ID:GWMSFezL0
動物霊をご存知だろうか。
その名の通り動物の霊なのだが、民間伝承でもよく知られているものは狐狸の類であろう。
これらに限らず、特に畜産や水産に関わる動物への信仰は強く、墓や碑も多く存在する。
これは、その動物霊に関する話である。

私が幼少時代に育った村では当時から米や果物の生産が盛んだった。今でこそ極力殺傷は控えるものの、その農作物を荒らす猿や猪を駆除することが あった。
そして、小高い山の上には猿の墓と碑があった。我々は、その山を「山西の山」と呼んだ。

その理由は、そこを管理しているのが神事関係者ではなく、農民の山西一家であったからだ。(供養は、年に一度神社の神主が担当する。)
山西家では、息子の正太郎が小学校中学年になると、猿の埋葬の一切を彼に任すようになった。

642 :本当にあった怖い名無し:2010/04/25(日) 04:47:25 ID:GWMSFezL0
正太郎は、私の同級生であった。

彼は猿の死骸が出ると、それを持って山西の山に登っていった。
時には、罠によって頭部が潰れ脳味噌が飛び出したものや、腸がだらんと垂れたものを担いでいった。
猿と人間で差異はあるとはいえ、形や構造はまるで変わりないので、正太郎はガキ大将の俊介とその取り巻きにいじめられるようになった。

彼が、また猿の死骸を担いで山西の山に向かっている時だった。
「や~い、猿殺しの正太郎!」「また殺したんか、俺たちも殺されるわ!」「寄るな寄るな!」
正太郎は、ただ黙って山に登った。
そんな時期から、彼は変わってしまったように思う。
「おい、猿殺し!」
俊介が正太郎の首を捕まえて因縁をつけていた。
「ギャー!」
正太郎は急に奇声を発し、口を開いて威嚇した。その姿はまるで猿のそれであった。
驚いた俊介はその手を放し、後ずさった。正太郎は、なんと四つん這いで走って逃げたのである。

それからというもの、正太郎の奇行は村で知られることとなった。
ある時は道を歩く老人に飛びかかり、ある時は掃除に使うバケツの水を異常に怖がった。

643 :本当にあった怖い名無し:2010/04/25(日) 04:49:44 ID:GWMSFezL0
正太郎は学校に来なくなった。そして、猿の埋葬にも行かなくなったようだった。
噂では、お祓いも試したそうだが、「強い動物霊が憑依している」とのことで、手の施し様がないのだという。

ある時、俊介たちが山道を歩いている時だった。道の端のしげみに、正太郎がいるのだ。俊介は正太郎の奇行をよく知っていたので、相手にするつもりはなかっ た。
しかし、取り巻きの一人が言い出した。「じゃんけんで負けたやつが、正太郎にちょっかいを出そう。」
負けたのは俊介であった。俊介は気付かれないように正太郎に近づくと、後ろから軽く小突いた。
すると、正太郎が急に振り返り、「ギャー!」と叫び俊介に飛びかかった。
正太郎は頭に噛みつき、顔面を爪で引っ掻いた。

血だらけになった俊介を見た取り巻きは必死の思いで逃げ出した。しかし、この時の正太郎の執念は異常であった。背を向けた俊介に飛びかかると、何度も爪を 立てたのである。

それでも俊介はなんとか逃げ延びられた。ただし、いじめの代償は大きく、彼の左目に光が差し込むことはなかった。
この事件をきっかけに、山西家は当時では珍しい精神科医に診せるという名目で、どこか違う土地に越していった。

644 :本当にあった怖い名無し:2010/04/25(日) 04:54:00 ID:GWMSFezL0
それから、数十年たった今、正太郎のことを記しているのには理由がある。
当時俊介の取り巻きであった一人が亡くなったのである。首を噛まれ死亡しているのが発見された。警察は猟奇殺人として捜査している。
正太郎が生きていて、我々に復讐しているとは考えたくない。あの時、私が「じゃんけんで負けたやつが、正太郎にちょっかいを出そう」などと言い出さなけれ ば、こんなことにならなかったのだろうか。

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私は、あなたじゃない

ある日、大学の講義が終わり、自宅のある区域に向かうJRに乗ってたんだ。
よほど疲れていたんだろう、本来の降りるべき駅を過ぎてしまい、気づいた時
には2駅程離れてしまっていた。慌てて電車から降りて、本来の駅へ向かう電車を
待っていた。まあ、何回かこういうことがあったから、そこは落ち着いて対応
できたと思う。時刻表を見ると、いまから35分後くらいに電車が来ると分かった。
定期だから切符も買わなくていいし、その後10分ぐらいは携帯をいじって暇を
つぶしてた。

携帯をみると時刻は午後八時半。辺りも暗くなり、駅にいるのも自分だけ。
3分後くらいに違う方向へ向かう電車が来て数人増えたが、それでも少ない。
携帯を見るのも飽きて、ふと向こう側のホームに目を向けると、ベンチに
サラリーマン風の男性が座っているように見えた。

見えた、というのも、その人のいるホームはこちら側のホーム同様、薄暗くて
よく見えなかったからだ。(今思い返してみると、その人の周りはなぜか暗かった
ような気がする。)気になったので、あと15分くらいで電車が来ることもあり、
向こう側のホームに行くことにした。(帰る方向の電車は向こうのホームだった)

向こう側に行く階段をのぼっていき、ホームに着いた。だが、見渡すとさっきまで
いたはずの男性がいなくなっている。あれは見間違いだったのか?そう思いながら、
自分はなんとなく男性が座っていたベンチに座った。何分かすると、だんだんと頭や
体がだるく、重くなってきたように感じていた。気のせいだと思いつつも、電車を待ち、
気がつくと何人か人がおり、電車が来る時刻になっていた。

だるい身体をなんとか動かして電車に乗り込むと、少しは身体が楽になり、電車が発車
するころには普通の体調にも戻っていたと思う。10分くらいした時だろうか。正面から
視線を感じる。目を空けると、左前には人はいるが、正面の席には誰もいない。
(四人座りの場所だった)

おかしい。

確かに視線を感じたのに。気のせいか?と思いまた目を閉じる。また感じる。そのうちに
なぜか頭の中が圧迫されたように感じ、目を閉じてみると長い髪をした2,30代の女性が自分
をジ―ッと見ている映像が浮かんできた。こんなことは初めてだったので、なんだこれ、
気分悪い、と思って目を開けるといない。しかし、閉じると同じ映像が浮かんでくる。
そのうち、自分が誰なのか自分でも分からなくなってきてしまった。

頭はどんどん重くなり、声を出そうにも胸が圧迫された感じになっていて、何も
できない。その間にも、視線はあいかわらず私に向いていた。その時、私は何を
思ったか頭の中で、「やめろ。私は、あなたじゃない。」と呟いていた。

その瞬間、身体の中からスーッと何かが抜けていくような感覚がし、それと同時に
視線も、頭の中の映像も消えてしまった。その後は何事もなく、帰路に着くことが
できた。ただ、ひとつ謎の後遺症があったけど。

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火葬場での肝試し

344 名前: 夏色高校時代 2006/07/18(火) 22:36:53 ID:d7PjQiGe0

俺が17歳の頃に実際経験した話。

当時、ほぼ常に一緒にいたSって奴がいて、そいつが色々怪談だとか心霊スポットだとかが好きだったんです。
俺も昔は見えなかった物が見えたりするようになって(ぼや~っと人魂程度にですが…)、面白がってました。
やっぱり知識がないといけないですね、面白がっちゃいけなかった。

夏休み、深夜2時前。
いつものように夜中まで遊んでた俺たちは、ちょっと離れた火葬場に肝試しをしに行くことになったんです。
もちろん、言いだしっぺはS。2人で行っても面白くないので、電話でAとYを呼び出しました。
怖がる二人を連れて、大きな道をまっすぐ自転車2台で走りました(二人乗り×2です)。
火葬場が近くなってきて、夏だというのに空気がどんよりと重く冷たくなった気がしました。

そして火葬場に到着。

でも実際は中に入る事はできなくて…当然ながら鍵がかかってたんですよね。
仕方ないからここで怪談でもして気分をもりあげようか。
とSが言い出したので、みんなで火葬場の敷地内で輪になり怪談を始めました…。

345 名前: 夏色高校時代 2006/07/18(火) 22:43:04 ID:d7PjQiGe0

怪談話をしていた最中の事です。
Sがお清め用に、と持ってきた塩のビンを振りながら話をしていたんです。
で、みんなを驚かせる…「わ~!」とか、そういう怪談あるじゃないですか。
その「わ~!」の瞬間に腕を振り上げて、塩をぶちまけてしまったんです。
Sはちょうど俺と対面で、俺以外の全員が頭から塩を被って文句を言ってました。
その時の俺はというと、ざまーみろ、日ごろの行いだよ。と能天気に笑っていたのです…。

時計の針が3時に近づいてきた時、そろそろやめて帰ろうか、という話になりました。
んじゃぼちぼち…と立ち上がり、正面を見た瞬間…。

ガラスに映ったんです、足のない男の子が、麦藁帽子に虫取り網を持って…。

Sが俺の様子の変化に気付きました。
俺は膝をガタガタ震わせ(ハッキリ見たのは初めてだったので)、言葉を発することすらできませんでした。
瞬時、Sは自分の後ろを振り返り、「やっと出たのか」と言いました。
Sは突然、様子を見てくると言い、ガラスの方向へ向かって歩いていきました。
AとYは俺と一緒に立ちすくんでました。

そしてしばらくして…

346 名前: 夏色高校時代 2006/07/18(火) 22:51:00 ID:d7PjQiGe0

Sが俺たちを呼びました。
俺はYに肩を借りて、ゆっくり立ち上がりSの方へ歩いていきました。
「あのな、この先が火葬場みたいなんだ」
とSは言いました。
つまり、この草むらを越えたところに荼毘に伏せる機械がある、と…。
確かに、草むらの奥の方に銀色の物体(学校にある焼却炉の大きい物のような…)が見えました。
間違いない、俺たちは確信しました。
さっきの俺が見た少年といい、Sが感じている鳥肌といい、間違いなくいる…。
全員がそう感じていました。

「じゃ、行ってくる」
Sはそう言うと草むらの中にズカズカと入っていきました。
奴の心臓はもう毛しか見えないんじゃないんでしょうか…。
そんな事を考えていると、突然Sが叫びました。
「やめろ、離せ!」
そしてSは物凄いスピードで引き返してきて「帰るぞっ!」と言うと、自転車に向かって走りました。
俺も腰を抜かしている場合ではありません。
猛スピードで自転車まで駆け寄り、後ろにYを乗せて急発進。
全力でこいで、明るい大通りまで走りました。

そして、さっきまで晴れていたはずなのに、突然の大雨…。
間違いなく通り雨なのですが、先ほどの出来事からも不気味で仕方ありません。
帰路でYが肩を叩いてきて、俺を怖がらせて楽しんでましたが、2回、3回としつこいので無視しました。

そして、地元に帰ってくると、暖かい物がほしくなり、コンビニに入る事にしました。
まぁ、濡れた全身にクーラーが痛かったですが…。

「しかしY、何度も肩を叩いても、効果がないって何で分からないかなぁ?」
俺が笑いながら言うと、Yは
「え…?」
と言いました。

348 名前: 夏色高校時代 2006/07/18(火) 22:57:50 ID:d7PjQiGe0

「俺、2回しか叩いてないよ」
Yは言いました。
おかしいです。俺の肩は3回叩かれてるんです。
きっとパニックでおかしくなったんだよ、と慰められ、みんなでYの家に向かう事に。
道中、俺はずっとパニックなんかじゃない、と思っていました。
だって、肩を叩かれたのは大通りに出た後…つまり、俺は既に落ち着いていたのですから。

「明日は昼からプールに行こうぜ」
そんな話をしながら、Yの部屋で雑魚寝することに。
ですが、みんながウトウトと寝始めた頃、窓がガタガタうるさい事に気付いたんです。
「何かうるさくねぇ?」
と俺が言うと、みんなも同じように
「だよね、うるさいよね」
と部屋にひとつしかない窓を見ました。

しばらくの沈黙の後、Aが
「おい…誰かカーテン開けろよ」
と、みんなが思っていた事を口にしました。

Sが無言で立ち上がり、勢いよくカーテンを開きました。
「うわああああああああああああああ!!」
カーテンにはびっしりと無数の手、手、手。
大きなものから小さなものまで、隅から隅まで白い手形がたくさん。
しかも、Yの部屋の窓は曇りガラスで、ハッキリ物が見える事なんてありません。
それが、曇りガラスよりもクッキリと手形が…。

俺は失神しました。

349 名前: 夏色高校時代 2006/07/18(火) 23:00:36 ID:d7PjQiGe0

翌日、プールに行く気分にもなれず、Yの親御さんに連れられて神社に御祓いに行ってきました。
どうやら”連れてきた”のはやはり俺のようです。
詳しい話を聞こうとしたのですが、親御さんは何も教えてくれませんでした。
ただただ

「この事は忘れなさい」

と言うだけで…俺は一体、何を連れてきたんでしょうか。
今となってはみんなとも疎遠で、確かめる手段もありません…。

長文の割に面白くなかったかもしれません。
実体験をそのまま書いたので許してくださいorz

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イカれた親子

四年前の話だが当時高二だった友達の話
そいつは母子家庭で母親と二人暮しだったからか・・
夜遊びしたり学校で荒れたりでかなりだらしない奴だった(何故か頭は妙に良かったが)
俺はそいつと中学からの付き合いで家も近いからよく遊んだり一緒に下校したりしてた

ある日友達が聞いてきた
友達「お前って童貞?」俺「いいや、経験あるよ」
友達「やっぱ気持ち良いの?」俺「俺はセックスよりフェラしてもらう方が好きw」
「俺もフェラなら母ちゃんに毎日やってもらってるんだけどな・・・」

何を言ってるんだこいつ・・と思ったが何故か興味があったので経緯を聞いてみた
中一の時に風呂にいた母親を襲い無理矢理やらせたらしい
それから毎日強要して今に至る
セックスはさすがにマズいと思ったのか・・未だにやってはいなかったらしい
が、その話を聞いてから一年ぐらいにそいつの母親が出産したらしい
詳細はわからんし友達も話してくれんが・・・想像はつく

このイカれた親子が怖いというより気持ち悪かった

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迫り来る声

852 本当にあった怖い名無し 2005/06/05(日) 03:08:47 ID:CKkyadXP0
高校1年の夏。深夜。友達合わせて5人で、山の奥にあるダムに行った。
足は原付きが3台。
俺はカブに乗っていたので、ケツには誰も乗っていなくて、他の4人の友達はそれぞれスクーター2台に2ケツしていた。
そのダムは普通に散策したので、さらに原付きに乗って山道を抜けたところにある大きな鉄橋に到着した。
・・・・。みな一様に黙り込んだ。
なんだか雰囲気が異常に怖かった。
全員がなぜか緊張している。この橋は明らかに雰囲気が違った。
怖いのだ。さっきまでは、ほんとに何でもなくて、ワイワイ楽しんでいたのに。
辺りは、真っ暗闇で外灯すらない。
それでも俺は気のせいだと思い、怖い気持ちを抑えて、記念写真を撮ろうと準備にかかった。
みんななんだか落ち着かず、顔もこわばっている。
でもせっかく来たんだし「早いとこ撮って出発しよう」と声をかけた。
その時ふいに音が聞こえてきた。

853 本当にあった怖い名無し 2005/06/05(日) 03:09:49 ID:CKkyadXP0
・・・キィ・・フュィィ・・・
遠いところから聞こえてきた。
道のずっと向こう、見えないぐらい遠いところから、山間を隔てて聞こえてきたように思った。
ギクリとはしたが、最初は別に気にしなかった。しかし暫くするとまた聞こえてくる。
キィ・・・キィィ・・
車のスリップ音のようだ。
それが遠くから聞こえてくる。
キィーー・・・キュィィィ・・・フィ・・
俺たちは顔を見合わせ、「走り屋でも走ってるのかね」と言い合った。
もたもたと写真を撮る準備をしていると、また音が聞こえてくる。
キィーーキィーーキュィィィ・・・キキキ・・・
なんだかおかしい・・。聞こえる毎に音が長くなってきてる。
そしてそれが徐々に近付いてきているのは明らかだった。
走り屋だったら、絡まれたりしたら、いやだなあ・・。その時はまだそんなことを考えていた。
音は、さらに間隔を延ばし、長い間鳴り続けるようになり、どんどん近付いてきている。
キュィィィ・・・キィーーキィーーキュィィィ・・・キキキーー・・・

854 本当にあった怖い名無し 2005/06/05(日) 03:10:31 ID:CKkyadXP0
「ちょっと離れたほうがよさそうだなあ」
友達の一人が、てっきり走り屋だと思い、そう言った時、全員が硬直した!
その音は、いつの間にか、すぐ足下から聞こえてきていた。
そう・・鉄橋の真下。真っ暗闇の河からだ・・。
ありえない?なんで橋の真下から聞こえてきてるんだ・・。
恐怖で顔が引きつった。
しかも・・・!
よくよく聞いていると、その音は、車のスリップ音などではなかった。
何人もの男女の声が入り乱れた、うめきとも叫びともわからない、判別不能、理解不能な声が、
ウワンウワン、フュウウウウ、エエエエエーーー、キャアアアアーー・・・。
とにかく字で表現しづらいのだが、大勢の男女が声を絡ませ合って、奇妙な叫び声を上げていた!
その声は、橋の真下からどんどん上がってくるような感じがした。

855 本当にあった怖い名無し 2005/06/05(日) 03:11:05 ID:CKkyadXP0
明らかに人間のものではない!!!
やばい!やばい!やばい!
みんな一斉に逃げ出し、原付きに乗ってエンジンをかけた。
2台のスクーターはすぐセルでエンジンがかかり、出発しようとしている。
俺はと言うと、カブのためキックでエンジンをかけなければならなかった。
が、エンジンがかからない。何度キックしてもかからない。
その間、あの声はどんどん迫ってきている。
ついには、橋に上がってきて、俺の背後に迫ってきている感じがした。
もう恐怖で足がガクガク震え出し、キックもまともにできなくなってきた。
怖すぎて、鼻がツーンとして、手なんか間隔がなくなってきた。
こんな恐怖体験は生まれて初めてだった。
「待ってくれーーーーーーー!!!」
俺はスクーターの友達にあらん限りの声で叫んだ。
一台はすでに逃げ出した後だったが、もう一台の友達がその声に気づいて、びっくりしたように振り返って、止まってくれた。
ようやくエンジンがかかった!

856 本当にあった怖い名無し 2005/06/05(日) 03:11:32 ID:CKkyadXP0
俺はもう脱兎の如くアクセルをふかして逃げ出した。
それを振り返ってみていた友達と、その後ろに2ケツをしているもう一人の友達の顔もカブのライトに照らされて見えた。
それが見る見る恐怖に変わっていくのが分かった。
やべえ!俺の真後ろに何か見えているらしい!!怖えええ!!
バックミラーが視界に入ってきたが、相変わらず真っ暗闇だ。でも振り返って確認などできるはずもなかった。
あらん限りアクセルを握りしめ、友達と合流し、鉄橋を猛烈なスピードで渡りきり、あとは振り返ることなどせずに、ただひたすら街の方に街の方に、原付きを走らせた。
そうして俺たちは這々の態で逃げ帰ってきた。
あとで、友達に聞くと、俺がカブのエンジンをかけている時、その背後で、鉄橋の下から、のそりと這い上がってくる、黒いモヤモヤしたものが見えていたらしい。それはよく見えないけど、黒い霧だったと言ってた。
もう一人の話が強烈で、そいつは別のものが見えていたらしく、いわく、古びた着物を来た、異様に首の長い女が、凄まじく笑いながら、スーッと近付いてきていたということだ。さらにその背後には、ゆらゆらとうごめく何体もの人影が見えたらしい。
これにはかなりゾッとさせられた。

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