Archive for 6月 5th, 2010

寄生虫

千葉の柏で本当にあった話なんだが・・・
小学生の頃俺の友達が池で遊んでた時タガメを見つけたんだよ。
知らない人のために説明すると、タガメってのはゲンゴロウを大きくしたような水生昆虫。
顔に大きな針が付いてて、これでオタマジャクシなんかを捕まえてチュウチュウと体液を吸う。
でも人間を指したりはしないし毒もない。それにタガメはわりと人気のある虫だったから、当然友達はタガメを捕まえようとした。
で、首尾良く捕まえたんだけど、タガメの針で偶然指をひっかいちまった。
でも毒はないし、たいして痛いわけでもないから、友達はバンドエイド貼ってすませた。

・・・それから一週間ぐらい経ったある日、そいつが授業中急に池に行きたいって言うんだよ。
授業中だし先生もいる。でも、俺が「後にしろ」って言っても聞かない。
しまいにゃ暴れ出して小学生とは思えない力で先生の制止も振り解いて表に飛び出した。
そのままそいつは学校のプールまで走っていって、追い掛けていったおれ達の前で・・・目に指を突っ込んだ。
俺達がびっくりしてると、そいつが指を突っ込んだ目の涙腺辺りから何かヒモみたいな物が出てきた。
そのヒモはグニャグニャと暴れて、血塗れになってプールに落ちた。
その後もそのヒモみたいな物はグネグネと動いてた。
それを見届けてから、目を潰した友達は気絶しちまった。
その後友達は意識を回復したけど、自分の行動については憶えていない。
ただ片目が無くなってるのを知って、大変なことがあったとは気付いたようだ。

・・・後で聞いたらヒモみたいのはハリガネムシという寄生生物だそうだ。
幼虫の時宿主に進入して、成虫になると何らかの手段で宿主を水際へ誘導し、宿主の体から水の中に戻るそうだ。
水の中に住むタガメやカマキリ(蚊などを捕食したときに体内にはいる)寄生して・・・まれに人間にも寄生するらしい


台風の夜

この間台風が来て思い出した話。

一人暮らしを始めたばかりの頃、俺の住む県に台風が直撃した。
その夜は眠りをさまたげるほど、風がびょおお、と音を立てて吹き荒れ、俺は眠れずにいた。
そんな時だ。
突如玄関のチャイムが、ピンポン、と鳴った。
こんな夜中に誰が?と思いつつ、俺は覗きレンズを覗き込んだ。
人がいる。ぎょっとしたが、声をかけた。
「どなたですか」
「おう、○○、俺だよ」
「あれっ!?何だよお前、連絡もなしに」
その声は俺の友達の声だった。
だが、外が暗いのと、帽子を深々とかぶっているので、顔がよく見えない。
そんなことはどうでもいい、相手が友達だったという安心感に、
「それにしてもお前、この嵐の中よく来たなあ」
と言いながら鍵を開けはじめた。
だが、俺はそこで気が付いた。
<一体どうやって、この嵐の中を徒歩で来たのだ?>
彼には運転免許がない。
バスで来たとしても、バス停からここまで、少し歩かなければならない。
それに、こんな風の吹き荒れる夜に遊びに来るやつはまずいない。一体何の用が?
俺はまた覗きレンズを覗いた。
「お前どうやって、ここに来たんだ?」
すると彼は、数秒の沈黙の後、顔面を思いっきり覗きレンズに近付けてきた。
顔がロウ人形の様に白く、目だけがリモコン操作されたようにギョロギョロとしていた。
それは俺の知っている彼ではなかった、いや、それどころか、それは人ではなかった。
そしてそれは、口をこれでもかとばかりに横にひろげ、にいぃっ、と笑った。
俺は腰が抜け、その場に座り込んでしまった。
我にかえると、急いでその友達に電話をした。当然ながら、彼は来ていないと答えた。
その夜はますます眠れなくなってしまった。


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