Archive for 9月, 2010

恐怖の約束

読みにくかったらすいません。
これは、俺が体験して現在も続いている話です。

俺が高1の時に付き合っていた病弱な彼女がいました(今からMと呼びます)。
そのMとは家族よりも気が合うくらいで結婚とかの話をするぐらいでした(この年代だとよくありますよね。笑)。

それから、Mと付き合いだして半年くらいのことです。
急に俺とMはケンカするようになり、顔を見るだけで口ゲンカになるくらいに。

それから俺は浮気をするようになりました。
当たり前のようにMに愛想を尽かされ別れました。

Mと別れて1年経ったくらいに、あることが起きました。
それは、Mの夢を毎日見続けだしたのです。

Mの夢を見だして3週間目ぐらいに、「Mに何かあったのでは」っと思い切って電話してみました。
すると電話に出たのはMの母親で、Mは病気で亡くなったということを聞きました。日時は夢を見だした日でした。

最初に言ったようにMは病弱で毎日のように風邪を引いていて、俺に出会うまではあまり外にも出ない子でした。
Mの母親にかける言葉も見つからず、とりあえずMの家に行きました。

家に上がり、連れて行かれた先は彼女の部屋でした。
部屋には、俺と一緒に撮った写真やプレゼントした物などの思い出をたくさん残していました。

そして、Mの母親が俺に言いました。
「あの子は声が出なくなるまで君の名前を呼び続けていたわ」と。

その瞬間、俺は泣きました。
どうしようもないとわかっていたのですが、涙は止まらず流し続けて。

それからMに線香を上げて帰りました。
家に着き家族にMの話をして俺はすぐ部屋に行き、寝ようとしたら突然Mの声が聞こえました。

Mは俺に「来てくれてありがとう」と言ってきたのです。

俺は泣くぐらい悲しんでいたのに、急に恐怖に包まれ全身の鳥肌が立ちました。
しかし、その後はなにもなく寝ていました。

次の日、付き合っていた彼女が顔に大火傷を負い俺とは付き合えないと言われフラれました。
その日の晩に理由がわかりました。Mです。

彼女の仕業らしく、今度は彼女の姿がはっきりと見えました。
Mはこう言いました。「あたし、悪くないよ? あの子がHくんをとるからだよ!!」と。

俺は怒るように、「なんでそんなことするんだよ!! 今はMと付き合ってないんだからいいだろ!! それに、Mにはもう触ることもできないんだよ!!」。
すると、彼女は泣きながら「生きてる人と死んでる人とどう違うのよ?」などとワケのわからない質問をしながら、「触れたらいいの? 料理とかできたらいいの?」などと言ってくるのです。

見た目は昔と変わっていませんし2回目というのでさほど怖さはなかったのです。
俺が困った顔をすると、Mは俺の手を握り頬に当てたのです。

俺が唖然としていると、「触れるよ? あたしとHくんは触れるんだよ?」とMは体中をペタペタ触ってきました。
その時のMの顔がとても嬉しそうにしていて俺は涙を流しながらつい抱きしめてしまいました。今思えばそれが失敗でした。

Mは「ずっと一緒だよ? もう浮気しないでね? これで約束通りになるよ!! 今から準備してくるね!!」と言い消えました。

俺は約束? と思いながらもいつの間にか寝てしまい、耳に聞こえてきたのは目覚ましでなく、Mの声で「おはよう!! 早く起きないと怒っちゃうよ!!」と言って顔面にビンタをくらい目が覚めて、ビビりました。

ぼーっとしているフリをして着替え始めた彼女にそっと触れてみました。
触れるのです。かなり冷たいですが、本当に感触もあれば、生きてる時の彼女の反応もありました。

夜になると一緒に風呂に入るなどふざけたことばかりしてきて、しかし家族には見えないらしく。
それからというもの毎日続き、俺の中でストレスがたまり高校の先輩とケンカして退学になりました。

高校中退で仕事をするハメになり落ち込んだとき、家族よりもMは優しく慰めてくれました。
そのままMに甘えたくなりMと勢いでヤってしまいました。

恥ずかしながら生きてる人間と変わらない体でした。
そこで俺はついつい「Mのこと大切にするよ」と言ってしまい寝ました。

そして仕事をしだして他の女性と親しくなってきたときにMはわかっているかのように、「浮気はダメだよ!!」と言い、仲の良かった女性も急に仕事を辞めてしまいました。

それから今に至るまでずっと同じ状態です。
この状態はまるで、『結婚』したかのような。

そう、Mの約束とは、結婚のことだったのです。
付き合っていたときのあの軽い発言がたったいま幽霊? と実現されています。

俺の周りに霊感あったりとかそーゆう人もいなくて、妥協してしまったのが今です。
このことを投稿するのはちゃんとMに断りをいれてます。

生きてる人間と死んでしまった人間(幽霊? かな)の思いに違いがあるかといえば大きな違いがあり、お互いの思いにズレがないといえばないです。
ちなみに俺とMは思いは一緒だと、お互いが分かち合えるものだと思っています(Mからの半強制ですが。泣)。

こちらの対応の仕方によってはあっちに連れて行かれるかもしれませんね(笑)
皆さんも似たような体験をしたら十分お考えください。

それとお互いに今いる彼氏や彼女は大切にしましょう(笑)
皆さんにもご理解等をいただけたら幸いです。

かなり長くなりすいません。
それと下手くそで申し訳ないです。


黒い服の少女

あれは、北国に暮らした頃の事…。北国の夏は、夜明けが早い。午前4時には、夜が明けている。

ある朝、5時頃に目が覚めた。トイレに行き、あと1時間寝ようかな…なんて考えつつ、なんとはなしに、窓から下を見た。眼下には、公園の白樺の木立ちが見える。

あたりは、既に明るい。ウォーキングの人が、行ったり来たりしている。この公園は、縦長の形をしているので、ウオーキング向きの場所だ。又、一人通った…。

あれ………?

強い違和感を覚えた。良く見ると、ウォーキングの男性に、若い女性がしがみついている。

真っ直ぐな、肩までの黒髪。黒いワンピース。そのスカート部分から下の…足が、見当たらない。少女は、フワリと浮かんでいる。そして、男性の首に横から手を回し、寄り添って、スウーッと移動している。しかし、彼は気付かない風で、軽やかに歩いていく…。

…その子に、重さは無いの?足は?

そして、彼は通り過ぎ、見えなくなった。二度寝を考えていた私は、すっかりと目が覚めてしまった。

心霊スポットの噂はあまりないが、この公園は、色々あった公園だ。

以前、少年達の集団リンチ事件があった。少年が、一人死んでいる。

公園の横に川が流れている。公園あたりの川べりに…上流からの、自殺や、事故の遺体が、流れついた事が、幾度かあったという…。

心霊スポットの噂が少ないのが、むしろ不思議な公園だ。それゆえに、近所の者は、夕方5時を過ぎたら、ここには近寄りたくないと言う。

夕方5時はわかる。夜に公園内を通ったら、急な頭痛に襲われた事があったから…。

しかし、本当は、朝の5時もヤバいのかもしれない。

その後も、2度ほど早朝の窓の下に「見えた」から…。

夫婦でウオーキング。睦まじくて、良い光景だと思った。しかし、白樺の木の陰を通り過ぎたら…妻が消えていた…。あれ?妻は?

小さな子供を連れた人が、散歩をしている。可愛いと思って眺めれば…やはり、木の陰を通り過ぎた時に、一瞬にして子供が消えた。確かに、幼子の親にしては、あまりにも子供を無視して歩いていた。

あの白樺の木立ちを通ると、何かがついて来るのだろうか…。霊感の無い私にも、見えてしまうほどの「何か」が…。その中でも、あの少女は、ひときわ異様で印象深い。

今でも、少女を思い出す事がある。彼女が誰か、何があって公園に現れたかは、永遠の謎だろう。黒いワンピース姿の、足と重さの無い少女…。

健康の為の、朝のウオーキングも、結構危険かもしれない。少女にしがみつかれた男性は、元気だろうか…?

皆さんも、朝の公園のウオーキングには、気をつけて下さい。いわくつきの公園なら尚更に……。


孫入りの玉

東北某県の山奥にある実家にまだ住んでいた頃の話なんだけど。

その地域では俺の一族が大地主だったらしく、祖父に対して近所の連中がぺこぺこしてるというなんとも嫌な感じで、正直俺は余り実家のことが好きじゃなかった。
んでそんな俺の実家には蔵がある。家宝が云々とか言われているけどなんのことはなく、ようは他方からの貢物を収めている。

そんな中でひときわ大切にされている玉があった。用途は一切不明、黒ずんだ金属(何の金属かはわからん)製らしき玉で、模様装飾その他は一切なし。
振るとカラカラ言った(子供の頃振って祖父に血を吐くほど殴られた)。

なんなのかよくわからなかったけど、ただ「最も大事な物、絶対に触るな」とだけ言われてきた。
絶対に触るなって言っても別に呪いがどうこうではなく、祖父曰く「孫が入っておる。いつ生まれるかわからんから刺激はするな」とのこと。

どうやらその家の主に代々伝わる話があるらしく、それに関係しているらしい。
俺の父親は知っていたが俺はまだ知らなかったので、気味が悪いとは思っていたが別にどうすることもなかった。

後で父親に聞いた話だと「孫」っていうのはその地域の土着神みたいなもの。
普通土着神っていうのはその地域に住んでいるものだけど、「孫」は特別で、村が出来て人が住んでから他方の神様を持ってきたんだと。

その連れてきた人間っていうのが家の家系の1代目ってわけだ。
何故「孫」っていうのか、何故変な玉に入っているのか、生まれるってどういう事かとか、そういうことはわからんとのこと。

そして去年の夏に心臓発作で祖父が死んだ。
俺と父親は家を出てきていたので当然家を継ぐことはなく、つまりはこれで家主はいなくなるわけだ。で祖父の葬式のために実家に帰った。

俺はふとあの玉が気になって(言っちゃうと家を出てからずっと気になってた)蔵に行ってみた。
そしたらあの玉が割れていた。綺麗に真っ二つ。しかも割れてはじめてわかったんだがその玉はどうやら木製。裏側に木目があって表面はなんかの塗料だったらしい。

当然そんな重いもんでもなく持ってみると軽い。しかし子供の頃こっそり持ったあれは確かに金属の重さだった。
つまり「孫」には結構な重さがあったってこと。なんだかぞっとして俺はその蔵から逃げ出した。

葬式を終えて今の家に帰ってから半年ほどして、あの村で人死にが大量に出たと聞いた。
あっちでは呪いやら祟りやら言っていたが、俺はなんとなくそれは違うような気がする。だって家主が死んですぐ「孫」が生まれるなんておかしいから。

俺は「ああ、祖父で足りたんだなあ」と思った。
一体あの玉から何が生まれてしまったのかは知らない。でもまあ、もう俺はあそこには帰らないから知る必要もないかと思っている。

<追記>

俺は「孫」は神様なんかじゃなく、人の命を吸って成長する化け物だと思っています。根拠はないですが。
それで祖父の命を吸ったことによって生まれることが出来るくらい成長したんだなあと。

おそらく生まれた「孫」はまだあの近辺に住み着いていると思います。
まだ人死には出ているらしいので。


闇の少女

友人の話をしようと思う。

大学で知り合った彼女は、小柄でふわふわとしたイメージの可愛らしい女の子だ。
当然男連中が放っておくわけもなく、よく仲立ちを頼まれたりもする。勿論、面倒臭いのでそれに応じたことはない。

彼女(仮にFとする)は複雑な家庭環境のなか育ったらしい。詳細を興味本位で尋ねるほどには無遠慮でなかったし、正直なところ他人にそれほど興味など抱かない質である。
それでも、ごく稀に酒の席で緩んだFの口端に上る仕打ちは、虐待以外の何物でもないことが伺い知れた。

閉じ込めるのだそうだ。
何日も何日も。暗がりの、埃臭い、「専用」の場所に。

そこはホームセンターなどで気軽に買うことの出来るプレハブ物置で、庭に設置されていた。中には不要になった家具家電のたぐいが並べられており、普段は仰々しいほどの鎖にぐるぐると縛られ、大きく頑丈な南京錠か3つ、かけられていたと言う。
窓や隙間は悉く目張りされ、昼も夜も解らぬ完全な闇がそこにはあった。

両親は厳しい人たちで、しかも狂気を内包したサディスティックな2人だった。
何か粗相をしたり、そうでなくとも彼らの機嫌ひとつで、Fはそこに閉じ込められた。

初めは数時間という、折檻の域を出ない戯れ程度のものだったそうだ。それが事を重ねるごとに、長くなっていった。

高校生になった頃には、監禁が数日を超えることも日常化していたと聞く。
食事も用を足すことも適わない闇の中で、彼女は自尊心や反抗心を削りとられて行った。

これには、滅多なことでは心の動かない自分も息を飲んだ。

大学に入ってからは家を出たので、閉じ込められることはない。しかし今でも彼女は闇を恐れ、眠る時も灯りを決して消さないのだと言う。

「あの頃、闇に耐えきれずに私は泣き叫んだの。喉がかれても、涙がかれても。そして懇願したわ、自分が最も軽蔑し、憎んでいたその相手に。何でもします、ここから出してください、何でもしますからって」

酔っているはずのその声は、しかし冴え冴えとしていた。

「昼間は、まだいいの。でも夜になって周りが静かになるとね。知ってる?あまりにも闇に慣れると、身体の感覚までなくなってくるの。少しずつ暗いところに溶けてしまって、私がいなくなる感じ……」

自分が言葉をなくしていると、Fは途端に陽気な酔っ払いの抑揚を取り戻し、「小説のネタにどうー?」と笑い飛ばした。

そして今、彼女はいない。
とある場所に収監されている。

彼氏と過ごしたある夜、彼女は発狂した。Fが眠った後、事情を知らぬ彼氏が電気を消してしまったのだ。
夜中に目を覚ました彼女は獣のような叫びの後で、光を求めて窓から飛び降りた。Fのマンションは3階だった。

誰からも愛される容姿を持ち、誰をも貶めない優しい子だったのに。幸せになれる条件を、ちゃんと満たした子だったのに。

自分は今でも、ふとした折に彼女を思い出す。


狙うノイズ

音関係の仕事をしている。

故に雑音、物音にはひどく敏感だ。マイクを通していなくとも、常人よりは聞こえている。
元々聴覚がえらく鋭いので、この職に就いたきらいもある。

雑踏などで耳を澄ましていると、たまに聞こえない音や声に遭遇する。
それはか細い叫びだったり、剣呑な警告だったり、いろいろ。もしかすると霊の発するものなのかも知れない。

昔、ある映像制作に携わり、撮影時の録音を担当したことがある。
場所は大阪の繁華街、ノイズが多く私の機嫌は珍しく悪かった。

その時も囁くような声が、ミキサーからヘッドホンに終始伝わっていた。
おそらく媒体には記録されていないだろうが、耳障りなつぶやきに私は苛立つ。

『もうすぐもうすぐ』

子供の声だ。男女の判別はつかない。

『たくさんたくさん』

愉しげな抑揚は神経を逆撫でした。カメラが回っていたわけではないので、あまりの不快感に電源をオフにした。

ぶちっ、という独特の切断音がした直後、目の前の人並みに車が突っ込んだ。
何人もの通行人が吹き飛ばされ、車は店にぶつかる形で停止。周りはパニック、撮影は当然中止になった。

私はげんなりした。さっきの『もうすぐ』と『たくさん』はこのことだったらしい。
もうすぐ、たくさん、人が死ぬ。そういうことかよ。

帰宅して観たニュースによれば、老夫婦と連れられた孫、若い呼び込みの居酒屋店員が死に、10人ほど怪我をしたようだ。
しかし……その場を立ち去る瞬間、風のごとく耳をかすめていった声に、私は柄にもなく立ちすくんでしまった。

子供の声はもはや、エフェクトをかけたように歪んだ男の声に変わっていた。

『残念、残念、あと少し……』

低級霊が。
悪態をつこうにも、ぞくっとするほど不気味な声に完全に凍りついてしまい、私は唇を噛むことしか出来なかった。


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